やしお

ふつうの会社員の日記です。

林芳正、津村啓介『国会議員の仕事』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10656888

自民の参院議員と民主の衆院議員の二人が、官僚の行動に対して政治家が責任を負うという社会契約論的な理念を語るとき、「議会は……官吏たちによる判断を人々に知らせ、まるで彼ら自身が決めたことであるかのように思わせることにある」(柄谷行人『世界共和国へ』)という認識を思い出しますが、ただ現状はそれ以下のレベルなので、彼らには私たちがその幻想を信じられるよう頑張って欲しいと切に思うのでした。本書では国会議員の様々な面(政務三役、政党の役員、常任委員会の委員、県連の長、個人事務所の経営者等)を知られて面白かったです。

 まあ、でも、現役の国会議員2人だと、どうしても他への影響もあって言えないこともあるんだろなー、と当然ながら思うのでした。ただ、さすが中公新書だけあって(?)本気で政治家という職業を全うしようとしている人が選ばれてあるので、あまり中途半端なことにはなっていないので有難い。
 自民党参院議員(大臣経験者)の林芳正が、07年の福田-小沢の大連立が取り沙汰された際、解消の条件が明確ならば「あり得る選択肢」であって、そのメリットのひとつが、民主党政権担当能力を備えさせることにある、という認識を持っていたのは、言われればその通りだけど、あまり考えたこともなかったので、なるほどねえという感じ。つい最近の震災でまた大連立話が出てきていることとつい結びつけて(民主党には震災対応能力がないからと)考えちゃう。