やしお

ふつうの会社員の日記です。

G・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13247688

どんな見方をしても凄すぎて唖然とする。時間の組み立て方、語り口や言い回し(台詞がいちいちいかしてる)、一瞬一瞬のシーン・エピソードの鮮やかさやその反復(例えばうさぎ→ナサールの臓物を捨てること)、土地の描き方、語りの構造(一人称一元視点/三人称多元視点のどちらにもべったりつかない)、人の動かし方、訳者後書きにも言われた共同体等々を表象している点、その上物語もドラマチック。全てを同時に実現してこの短さ。とんでもないものを見てしまった。あと関係ないけど、どぶろくとか焼酎とかでてきてコロンビア……?ってなった。


 ほとんど信じ難いような存在が、しかし確かに目の前に存在しているこの信じ難さ。
 しかもね、けっこう笑えるの。言いたいことはどれだけでもあるけど、ありすぎて黙っちゃう。もういいから読んでほしい。


予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)