やしお

ふつうの会社員の日記です。

うそっぽさ・ほんとっぽさ

 本でもネットの記事でも、なんか読んでて信用できないなと思うときがあって、別に矛盾したことが書かれてるわけでもないのになんでそう思うんだろと考えたら、フェアさが足りないからだった。何か一方的な言い分だけしか書かれていないと、それが実際に正しいかどうかはともかく、怪しく見えてしまう。
 「現実では誰かが一方的に悪いなんてことはめったにない」という思い込みがあるから、それを無視して書かれたものを見ると(これは信用できないな)という印象を抱いてしまう。だから逆に、あたかもフェアであるかのように書けば、ほんとは嘘でも本当っぽく見える。
 自分の論に対する反論を紹介して、その反論が間違っていることを示して、ほらね、私の論が正しいでしょう、っていうやり方。このときわざと倒せる反論だけを持ってくるとか、自分の論が瓦解するような反証を知りながら黙っているとか。ずるいけど、よくあるやり方だ。フェアを装ったアンフェア、天使のような悪魔の笑顔だよ。この街にあふれているよだよ。


 実のところ、完全なフェアネスなんて存在しないのだから、論はいつだって天使のような悪魔の笑顔だとしても、せめて悪魔成分をできる限り減らそう、論の検証をできるだけしようという誠実さは持ち得るように、がんばろうと思って。