やしお

ふつうの会社員の日記です。

ルールは水物、こわくないよ!

 本当はどこかに「最適なルール」が存在していて、ただ探り当てていないだけだなんて思うのはもうやめる。そんな最適解があるのは極めて前提が限られているときだけだ。将棋で盤面を手で払いのけるとか、サッカーでボールを抱えて走りだすとかすれば即プレーヤーとして排除されるような、限定的な世界で、はっきり壁があるときだけだ。非限定的な現実世界ではそうした壁が、ほとんど見えないほど遠い。「最適なルール」だと思ってもそのうち迂回路が見つかって、みんながルールに適応した頃にはもう、ルールを導入した目的からは逸脱してしまう。酒類を禁じたら密造酒でマフィアが伸長するとか、飲酒運転を厳罰化したら轢き逃げが増加するとか本末転倒な事態が招来される。
 ルールが設定されてプレーヤーたちが適応しようと試行錯誤している間しか、そのルールは合目的的に働かない。そこにはただ、賞味期限の長短があるだけだ。いっそそう思っている方がマシだ。だからグーグルやはてなブックマークも時々評価手法を変えて活性化させればいい。適応者=既得権者がやいのやいの言ったって、その到達した最適化が本末転倒なら仕方がない。
 はてなブックマークは「みんなが好きなインターネットを可視化するツール」というきらきらした夢が、みんなの適応によって「自分の方がこいつらよりわかってると言いたいために、安心して非難できる対象を可視化するツール」として暗く輝き始めている。ルールを変えて活性化すればいい。ただしもっとディストピアを見たいので、より荒れ果てて良識的な人々から完全に見放されるまではもうしばらく待っていてほしい。