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エッセイなんだけど、ある主張や意味を伝達するために言葉を構築するというより、一瞬一瞬の選ばれた言葉の運動そのものを見ることに意味があるような言葉の組み立て方になっていて、そういう文章をひさしぶりに見たような気がした。普段、仕事とかで言葉を使うときって、伝える順番や粒度や何かに配慮してく、そういう「わかりやすくする技術」を駆使してるから、すっかりそっちの技術にばかり目が行ってるから忘れてた。小説や詩ではなくエッセイだからある種の意見や主張というのは確かに乗っているのに、マテリアルとしての言葉そのものがある。
- 作者: 富岡多恵子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1978/01
- メディア: 文庫
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