やしお

ふつうの会社員の日記です。

G.ガルシア=マルケス『誘拐の知らせ』

http://bookmeter.com/cmt/59592232

コロンビアでジャーナリストが何人も麻薬組織に誘拐された事件を当事者たちに取材して書き上げた作品で、存命の人々を扱ってることもあって著者の小説ほどめちゃくちゃじゃないけど、細部の取捨選択や構成がこの人の小説になってる。デタラメみたいな人々の言動や出来事がかえって強くリアリティを出してくる。著名な老神父(コンタクトレンズを自分で装着できない、時々異様に落ち着きがなくなる)が突然乗り出して解決するとか冗談みたいなことが起こってくる。大統領選の前に候補者が5人殺されたとかさらっと書いてあってコロンビアマジやばい。

誘拐の知らせ (ちくま文庫)

誘拐の知らせ (ちくま文庫)