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オウム真理教以降の麻原彰晃というより、オウム以前の松本智津夫の話。まっとうな努力や勉強の仕方が分からない、でも「自分はすごい」とどうしても信じたい、そうした特性が、地道にやるのではなく虚飾やオカルトや宗教で一足飛びに「自分はすごい」を実現してしまおうとする。しかもそれが「成功」してしまったところに悲劇がある。目が見えるのに盲学校に入れられた子供時代に、親に捨てられた被害者意識と、周囲を圧倒するアドバンテージ(目が見える)を自動的に得て優越者の意識を持ってしまう、というストーリーでここでは語られている。