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民主主義の中に「間接民主主義」と「直接民主主義」の対立が内在している、という話になるほどと思った。例えばタイは、農村部を大票田にしたポピュリズム政権(タクシン派)が生まれ、都市部の知識層がそれを否定していて、でもそれは民主主義の否定ではないのかと思っていたけれど、間接民主主義を肯定して直接民主主義を否定する態度だと整理すれと理解できる。立憲主義の制約を受け入れるスタンスと、それを否定して直接民衆の意思を反映させるスタンスがあり、両者が「これが本当の民主主義だ」と主張して対立する光景になっている。
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)
- 作者:水島 治郎
- 発売日: 2016/12/19
- メディア: 新書