やしお

ふつうの会社員の日記です。

成田龍一『大正デモクラシー』

https://bookmeter.com/reviews/95153097
大正期の民主主義(民本主義)運動は、帝国主義と折り合いをつけざるを得ないという限界がある。本書はそうした限界点も含めて(大正デモクラシーと直接関係ない出来事も含めて)紹介している。特に植民地を持ちながら民主化を言う、というのは矛盾する面が大きい。その中でも、ジャーナリストで戦後に首相になった石橋湛山は、帝国主義植民地主義そのものも一貫して否定している点で飛び抜けている。岩波新書はレーベルの編集方針なのか、内容が整理・体系化されず「何故この話をしているのか」が不明確な個所が多く、やや読みづらい傾向にある。