やしお

ふつうの会社員の日記です。

鏡リュウジ『タロットの秘密』

https://bookmeter.com/reviews/104157224
神秘的なわけでもない賭博・ゲーム用のカードが、どういうわけか「古代エジプトに起源を持ち運命を読むもの」とされていった歴史が描かれる。そうした客観的な経緯を把握しながら、それでもなお「占い」ができるのは何故か、合理と不合理の衝突をどう解決してるのだろうと思ったら、「物語の構造は文化や民族によらず定型的で、それをタロットが表現している」「ロールシャッハ・テストのように『何が出たか』より『その人がそこに何を見たか』を読む」という捉え方で、一種の自己分析ツールとして利用するスタンスで、なるほどと思った。