やしお

ふつうの会社員の日記です。

鷲田清一『ちぐはぐな身体』

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常識やジェンダーバイアスなどの通念と、衣服や装飾がどう距離を取るのか、あるいはべったりなのかという視点でファッションを捉えていく。読んでいて退屈だったのは、ギリギリまで突き詰めて思考の拡張に至る営みというより、既存の思想や概念をそのまま援用して説明するまでで留まっているところ。例えばパックやシャワー、ストッキング、入れ墨などを密着の程度という軸で並列する箇所もあるが、そこから例えば九鬼周造『「いき」の構造』や玉村豊男『料理の四面体』のような突き詰め方もできそうだが、そこへは進まない。