やしお

ふつうの会社員の日記です。

高橋昌一郎『フォン・ノイマンの哲学』

https://bookmeter.com/reviews/102521836
「教授が未解決の定理を説明したら5分後に証明を提出してきた」「爆音で音楽を聞くせいで向いの研究室のアインシュタインの顰蹙を買う」「WW2で原爆開発等、米軍・政府の研究に協力し超多忙だが、移動中の列車などでコンピューター・ロボット・ブラックホール・経済学等の基礎理論を構築」とか、エピソードがいちいち強すぎて笑ってしまう。一般人に対してギフテッドがいるんだとしたら、ギフテッド全体の中でのギフテッドに相当するような知能の高さだったのだろう。チューリングも映画化されたことだし、フォン・ノイマンも映画化してほしい。


 単に天才エピソードを面白おかしく描くわけではなく、そんな人物がどう周囲の人間と関係を築こうとしたのかだったり、戦争や人間についてどう捉えていたのかといった面も詳細に描かれている。多様な分野に影響を与えたけど、その各分野が当時どういう課題を抱えていて、フォン・ノイマン(やその他の科学者たち)がその課題解決にどうアプローチしていたのかなども丁寧に説明してもらって、非常に親切な本だった。