やしお

ふつうの会社員の日記です。

谷川浩司『藤井聡太論』

https://bookmeter.com/reviews/110839405
普段は将棋の真理を追求する研究者、対局の序中盤は将棋の新しい世界を築く芸術家、終盤は勝利を求める勝負師、と3つの顔を棋士は持つべきという話は、意味の解釈/新たな解釈の実践/技術の追求のような、文芸なら批評家/純文学作家/エンタメ作家のような感じで、将棋の持つ多面性をよく整理された言い方だなと印象に残った。最近はトップ棋士たちの研究量が増大して現役時代の打ち込み方が他のスポーツ選手並になった、という話も、パラダイムシフトへのキャッチアップが非常に厳しくなっている現状をよく表していると感じた。