https://elk.bookmeter.com/reviews/61216811
「蓮實風のテクスト論的な批評が映画を文学にしてしまい、ダメにしてしまった」と語っていて、文学ももともと創作主体なんてなかったけど著作権ができてから出てきた、映画は建築みたいにみんなで作るから「誰それの作品」と断言するのが難しかったはずだけど、監督に著作権ができて、さらに作家主義的な批評も成立したから作家性への異議申し立ての側面が消えた、といった話で、たぶん蓮實本人は作家性の否定もしててもっと多面的に映画を語ってるけど、そこを捨てて作家主義的な批評の面しか見ずに真似した人たちが悪かった、って話なんだと思う。
あと一般性と普遍性を区別している、という話もあってなるほどと思った。一般性は事象を集めてきて共通項を取り出せば事足りるけど、普遍性は理性でジャンプしないとたどり着けないという。理論的な仕事というのは普遍性に属する話だから、「現状ではできない」といってもそれは批判になり得ないという。
柄谷行人インタヴューズ1977―2001 (講談社文芸文庫)
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/11
- メディア: 文庫
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