やしお

ふつうの会社員の日記です。

瀬山士郎『数学にとって証明とはなにか』

https://bookmeter.com/reviews/113340674
トートロジーは(最近だと進次郎構文とか)無意味な同語反復のように思われても、実は万人が「正しい」と感じる命題はトートロジーに(一見してそう見えなくても)なるという認識があれば、厳密に形式的にそうでなくても、何かの構造を考えるヒントになり得そうだ。著者は、証明という営みには「証明できたから正しい」側面と、「正しいから証明できた」側面の両者があるという。ε-δ論法の話で、直感的に当然に思えることを、厳密に証明という手続きで正しさを確認するのは、後者に近いのかと思った。