やしお

ふつうの会社員の日記です。

フランシス・ローレンス『アイ・アム・レジェンド』

 感染するとゾンビになっちゃうウィルスが世界中に蔓延しました。ニューヨークも全滅です。そのニューヨークでただ一人生きてる男。抗体を持った男。それがウィル・スミスです。ウィル・スミスは軍人で科学者。ウィルスを退治する血清をつくるためにニューヨークに一人残りました。
 ゾンビの人たちは紫外線にとても弱くて暗闇でしか活動できません。昼間はとても静か。誰もいません。ウィル・スミスは愛犬のシェパードと、だあれもいないニューヨークで過ごします。動物園から逃げ出して繁殖したらしく街を跳ね回る鹿をハントしたり、レンタルビデオ屋にマネキンを配置して話しかけたり、港に停められている空母の上でドライバー・ショットの練習をしたりします。怖いですね。


 後半。まだゾンビになってない女の人と男の子に彼は出会います。女は彼に、北のほうにはゾンビでない人たちの住む町があるらしい、そこへ行こうと言います。でも彼はニューヨークに残ると言います。だって根拠が無いでしょ、もうきっと世界は全滅してるよ、と。女は、根拠? 神さまからの声が聞こえるの、とか何とか突然神さま神さま言い出します。女の人「信じることが大切なんですよー。」ウィル・スミス「だめですだめです行きません行きません。」
 その夜、彼の家はゾンビの方々の猛攻を受けます。地下の実験室に彼、女、男の子が逃げ込みます。ゾンビどんどんくる。ふと見るとウィルスを退治する血清を作るのに成功しています。ウィル・スミスはゾンビの人たちに叫びます。「やめてー、血清できたからあんたたち助かるよ、助けてあげたいから、やめてーおとなしくしてー。」でもゾンビの人たちは理性がふっとんでますから、聞いてくれません。透明な強化ガラスかなんかのドアにゾンビどんどんぶつかる。ドアにヒビが入る。もうだめだー。そのときウィル・スミスは、子供を抱いておびえてうずくまる女の人の首筋にちょうちょのタトゥーを見て、はっ、とします。
 ウィル・スミスには娘がいました。ニューヨークから避難する娘と3年前に別れた際、娘はしきりにちょうちょの話をしていました。ちょうちょ。この一致。ここで彼は信じてみようと思うわけですね。血清を彼女に渡して、命を賭して男の子と彼女を守ります。
 しかしこういったことは数年前にM・ナイト・シャマランがはるかに徹底して『サイン』でやっていたことです。『サイン』は素晴らしい映画でした。


 その後。ラストはあっけないです。「そして彼はレジェンドになりました。」終わりです。そういう映画です。