やしお

ふつうの会社員の日記です。

古田亮『俵屋宗達 琳派の祖の真実』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9459388

もともと何らの琳派観も持っていなかったので驚きはせずに、なるほどー、という感じ。従来の「琳派」という括り方への苛立ちから新たに「ポスト宗達派」という括り方への転回の身振りよりは、むしろもっと宗達作品自体について豊かに語ってほしかったなあ、とは思うものの新書だしね。でも周囲との比較から正しく位置づけるという作業は、当然ある程度作品について実証的に語らなければならないので読んでて楽しかったです。「垂らし込み」技法の話とか。

 本書は全体的に組がダサくて悲しい。詰め込み過ぎている気がして仕方がありません。本文組の文字の詰め込み具合は一般的でも周囲の余白が狭いので圧迫感があります。特に小口の余白があと2,3ミリくらい広くないと、しっかり本を開かないと読めないのでしんどい。後は特に目次が絶望的にダサい。章タイトルが太字の明朝体でむっちりしている上に行間、字間も詰め詰めで後ろにみっちり節タイトルが続くというスタイルは雑誌でやってほしい。

新書518俵屋宗達 (平凡社新書)

新書518俵屋宗達 (平凡社新書)