http://book.akahoshitakuya.com/cmt/8202822
本当に色々な点で示唆的な本だった。「人はいかに責任を取り得るか」という問いへの一つの解。「認識の領域と倫理の領域が両立するのは、どちらか一方を括弧に入れるという作業が可能にしているからだ」といった議論は不確定性原理みたい。マクロに見てる分には大雑把に両立できても突き詰めてみると原理的に厳密に確定できない。「『自由であれ』という命令に従うことから自由が生じる」といった議論はチューリングマシンの停止性問題っぽい。そうしたアナロジーから少しでも理解に近づけられればいいな。
2010年読んだ86冊の中で一番自分にとって影響の大きい本かもしれない。
本書はカント、ヘーゲル、マルクス、あるいはフロイトの、なかんずく柄谷入門としてもいいのかも。それにしても丁寧に書いてるなーと思う。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/06/09
- メディア: 文庫
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