http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35000715
柳田の結論自体より、どんな態度がその結論を導いたかが問題だという。郷土史家の資料だけ見て解釈は無視するとか、文字よりも音や口承を見るといった柳田のやり方は、文字化/解釈されたものからはどうしても失われるものがある、という認識からくる。取り出せば「観念」にならざるを得ない「信仰」のようなものがあって、それが人間を規定してくるという認識。そこを避けずに見ていく態度。でもこれは、柳田本人の意識がどうとかじゃなくて、柄谷行人が柳田に何を見たのかという話で実際、後の『探求II』で展開される「単独性」そのものなんだ。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: インスクリプト
- 発売日: 2013/10/30
- メディア: 単行本
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