やしお

ふつうの会社員の日記です。

柄谷行人『柳田国男論』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/35000715

柳田の結論自体より、どんな態度がその結論を導いたかが問題だという。郷土史家の資料だけ見て解釈は無視するとか、文字よりも音や口承を見るといった柳田のやり方は、文字化/解釈されたものからはどうしても失われるものがある、という認識からくる。取り出せば「観念」にならざるを得ない「信仰」のようなものがあって、それが人間を規定してくるという認識。そこを避けずに見ていく態度。でもこれは、柳田本人の意識がどうとかじゃなくて、柄谷行人が柳田に何を見たのかという話で実際、後の『探求II』で展開される「単独性」そのものなんだ。

柳田国男論

柳田国男論