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作中の「先生」の存在は何だろう。例えば地の文、会話文の関西弁の外側を支える標準語としてあるとか、語り手(園子)の主観性に対する客観性の担保のためとか、もっと単純に関西弁で語らせる理由付けとか言えなくはないけれど、それだけならいてもいなくてもという気もするし。もうちょっと考えてみよう。それにしても4人の関係がどう変容していくのかついつい気になって読み進めちゃうし、そして期待を裏切らずとんでもないことになっているし、妙な関西弁のリズムも新鮮で、筆跡や着物の描写、色彩感覚もゴージャスで普通に読んでて楽しい。
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/12/12
- メディア: 文庫
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