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四人の娘と母親のお喋りで進んでいくので、これは父親が出る幕はないなあと思っていたら、章の変わり目でいつの間にか死んだことになっていたのには笑ってしまった。著者はどこかのエッセイで、小説にその時々の風俗を書き込むと後で古びて見えるから私は極力排除している、というようなことを言った小説家に対して、古びる前にあんたの小説は読まれなくなるから大丈夫、と皮肉っていたのをふと思い出した。この小説は風俗まみれだけど別に古びて見えることもない。風俗かどうかというより(実際か仮構かというより)具体性が詰まっていれば楽しい。
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/11/19
- メディア: 文庫
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