やしお

ふつうの会社員の日記です。

ファジル・サイ:ピアノリサイタル@鎌倉芸術館

 7/7(土)に大船でファジル・サイのピアノリサイタルを聴きにいってきた。大船は職場の最寄り駅で、いいところは定期で行けるとこ、わるいところは途中まで会社に行く気分になるとこ。
 公演1ヶ月前に町角のポスターで知って、もう無理だろうなーと思ったらけっこうあいてて前の方の席をとれた。もちろん当日は埋まってたけど。


 サイは好きで何枚かCDを持ってはいるものの、音楽のことはよくわからないので、今回の演奏が彼としてどうか、一般的にどうかということもわからないし、具体的にここがよかったあそこがどうだったかも言えないけれど、なんかすごく気持ち良かった。いったい何をどうしたらピアノであんな音を出せるのか。
 例えば多くを比較して聴いたり曲の構造を把握したりといった作業を積んでいくことである演奏をより豊かに聴くことができるようになると知ってはいるものの、そうでなくてもただ、よく分からないけど気持ちいいというだけでもう十分じゃないのという気さえする。努力の放棄。でも努力を支える脅迫的な理由の正当性などそもそもどこにもないのだ。


 あと音楽と関係ないけど、ポスターでは色白細面で髪をカールさせて貴公子っぽかったのに、実際は中年の太ったおっさん(さいきんのラッセル・クロウみたいな)だったのがすごくよかった。写真はイメージです。
 あと弾きながら歌うのはCDにも歌声が聞こえてくるので知ってたけど、奥でどすんどすん聞こえてくるのが足を踏み鳴らす音だと実物を見てわかったのもよかったです。でもたいして気にならないのはもはやそういう音楽に聞こえるから。足音はもはやバスドラム
 そして後半の「展覧会の絵」に入るとそういったすべてがどうでもよくなる。それから一方でアンコールもどれも適度に力が抜けている感じで魅力的だった。


 ま、いずれにしても七夕に、サイという名の彦星と、おれという彦星がであった、ってことなのかな。よくわからない。

モーツァルトピアノソナタ第11番イ長調トルコ行進曲付き」
ストラヴィンスキー(サイ編曲):バレエ音楽ペトルーシュカ」より
ムソルグスキー組曲展覧会の絵
(以下アンコール)
サイ:バラード"SES"(声)
サイ:ボドルム
サイ:ヴァイオリン協奏曲「ハーレムの千一夜」第1楽章
ガーシュイン(サイ編曲):サマータイムバリエーション