やしお

ふつうの会社員の日記です。

ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの文学講義(上)』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26295504

びっくりするような読みが示されるって訳じゃない。例えばボヴァリー夫人なら蓮實重彦の講演録(群像'12年9月号)の方がはるかに驚きに満ちてる。でもそんなことは問題じゃない。(それに批評じゃなく「講義」だしね。)テクストの上でいったい何が起きてるのか、どういう書かれ方をされているのかを、自分で書くつもりかってくらい本当に丁寧に見ていくのは実作者に全く相応しい態度だって思える。それをナボコフが見せてくれるってことだけでいいじゃん。うれしいじゃない。ナボコフプレミアムだよ。どういうことだよ。

ナボコフの文学講義 上 (河出文庫)

ナボコフの文学講義 上 (河出文庫)