やしお

ふつうの会社員の日記です。

岡本太郎、宗左近『ピカソ[ピカソ講義]』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28212784

ピカソって実は完全な抽象画は描いてない。どんだけ抽象的でも物を表象してる点は捨てなかった。だから、19世紀的な自然主義を乗り越えながら、自然主義に留まったって存在なんだ。そして彼は才能が有り過ぎたせいで絵画からも離れなかった。神に祭り上げられ(どんな無茶な絵を描いても評価され)、絵画からも自然主義からも離れず、晩年はアトリエに閉じこもる、そうした限界を孕みながらもなお、自身の否定という運動を貫徹したピカソを、岡本太郎として越えるとは一体どうやるんだ、安易さを絶対に拒絶しながらどう可能なんだ、って話だった。

ピカソ「ピカソ講義」 (ちくま学芸文庫)

ピカソ「ピカソ講義」 (ちくま学芸文庫)