http://bookmeter.com/cmt/56733576
憲法9条擁護の本ってことに一応なるけど、めちゃくちゃ冷めてる。憲法成立の経緯や、徳川時代と戦後の類似や、資本主義下のヘゲモニー国家の確立と衰退の120年周期等々、構造を多面的に見ながら、こんな条文が存在してるメカニズムをはっきりさせてく。その上で9条を完全に字義通り実行してみたらいいって言ってて、そう言うとリアリティがないとか言われるけど、でも構造論的に考えると実はこっちのがリアルなんだよねえ、どうせ世界戦争は起こるときは起こるし、そうなったら結局ここに戻ってきちゃうことになるんだしねえ、っていう9条論。
基本的にずっと「構造的に似てる」って話をいろんな側面・いろんなレベルから言い続けるって本。
後期フロイトが見出した認識(超自我)と9条を保持してる日本人っていうのが似てるとか、天皇制維持のための戦争放棄っていう構図が戦後と徳川時代で似てるとか、今の時代が120年前と似てるとか。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/04/21
- メディア: 新書
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