やしお

ふつうの会社員の日記です。

顕微鏡という光学システム

※この記事は、光学顕微鏡を使ったことのある人以外には全く興味を持ってもらえそうにない記事ですが、顕微鏡をなんとなく知っているという人にとってはかなり面白い話なんじゃないかと思っております。



 顕微鏡の初心者にとって、まず意味不明なのは開口絞りと視野絞りという二つの絞りではないかと思う。なぜ2種類もあるのか(カメラなら絞りは一つしかないのに)、調整しなくても像は見えるのになぜついているのか(実際、小中学校の理科の授業で使う顕微鏡にはついていないのに)。私自身わけがわからなかった。わけがわからなくても、操作の仕方を丸暗記していればそれで事足りていた。開口絞りは「接眼レンズを外して見える黒い外枠の8割くらいの大きさになるように調整する」、視野絞りは「接眼レンズを覗いて黒い外枠に外接するように大きさを調整する」、という操作法だ。しかし、どうしてそうするのかという理屈を長いこと知らずにいた。ところがこの理屈がわかったとき、顕微鏡という光学システムがぐっと身近に感じられて把握することができた。一度わかってみると大して難しい話でもないけれど、ド素人でもわかるように一歩ずつまとめた資料というのがあまり世の中になかったから、随分遠回りをした。あえてみんなで私と同じように遠回りをする必要もないから、まとめておくことにした。


主要な登場人物

 開口絞りと視野絞りの話をはじめる前に、そもそも顕微鏡という光学システムを構成している基本的な光学要素がわかっていないと話にならないから、まずは順番に顕微鏡を作り上げていってみる。
 目がないと物が見えない。物がないと物が見えない(禅問答みたいだけど)。光がないと物が見えない。だから、そもそも「物を見る」には光、物、目がないと話が始まらない。

 これは「物を光に透かして見ている」という図になっている。(顕微鏡(特に生物)では一般的に物を透かして見る。)ここにレンズを追加して顕微鏡にする。顕微鏡はいわば「プロジェクターで拡大した像を、虫眼鏡でもっと拡大して見ている」という装置になっている。プロジェクターに相当するのが対物レンズ、虫眼鏡に相当するのが接眼レンズだ。名前の通り、物に対するのが対物レンズ、眼に接するのが接眼レンズ。

 プロジェクターは最近のパソコンにつなげて映す奴よりも、一昔前、学校で何かを発表するとき必ず使われていたあのOHP(オーバーヘッドプロジェクター)を想像してもらうとわかりやすい。光ってる板(光源)の上に半透明のシート(試料)を置くと、レンズ(対物)がそれを拡大してスクリーンに投影してくれる。それを虫眼鏡(接眼)でもっとでかくして見ているのが顕微鏡ということになる。
 しかしこの装置を覗いても、たぶん暗くて試料がよく見えない。顕微鏡はごく小さな範囲を大きく拡大して見ているから、そのごく小さな範囲に大量の光を集めて当ててやらないと、拡大した時に光が足りなくて暗くなる。だから、光源からの光を試料に効率よく届ける装置が必要になる。それを実現するのはやはりレンズだ。

 それがこの二つのレンズで、とりあえず名前と結びつけて役割を大雑把に覚えておく。

  • 【コレクタレンズ】コレクトする(集める)レンズ。光源から出てきた光は放っておくと四方八方に散らばってしまってもったいないので、光を無駄にしないようにかき集めているレンズ。
  • コンデンサレンズ】コンデンスする(凝縮する)レンズ。コレクタレンズから届けられた光をぎゅっと凝縮して試料の必要な範囲にだけ照射させているレンズ。


 これで顕微鏡になった。顕微鏡の種類(倒立顕微鏡/正立顕微鏡)や照明法の違い(透過照明/落射照明)、観察法の違い(明視野観察、微分干渉観察、位相差観察、蛍光観察等)によらず、この基本構成は変わりない。
※落射照明の場合は対物がコンデンサの役割を兼ねることになる。
※90年代以降メーカー各社で「無限遠系」というものが採用されていて、ここの「対物」が「対物+第2対物」に分かれている。しかし「対物+第2対物」をセットで考えれば基本構成は変わらない。
 ちなみに単に対物、接眼、コンデンサと「レンズ」を省略して呼ぶことが多い。


二つの絞り

 最初に予告していた開口絞りと視野絞りが基本構成の図に入っていないのは不思議な感じがする。しかし実際、この二つの絞りはなくても顕微鏡の光学的な基本構成は成立する。像は観察できる。現に使い方がよくわからなくて両方共、買ってからずっと開きっぱなしのまま使っている人も結構いると聞く。
 しかしついている。ついているからには意味がある。その意味をはっきりさせていきたい。


 二つの絞りを図に入れるとこうなる。

 いきなりだけど、開口絞りがカメラでいうレンズの絞り、視野絞りがレンズフードに相当する。このたとえ一つで、一眼レフカメラを持ってる人には一発でわかってもらえるんじゃないかと思う。
 開口絞りを絞ると像は暗くなり、コントラストは上がり、分解能は下がり、被写界深度は深くなって、開くとこれらが逆になる。また開口絞りは開いたり閉じたりしてもその絞りの像は映り込まない。こうした特徴はカメラレンズの絞りと全く同じだ。
 一方、視野絞りは「見ている範囲の外側からくる光をカットすることで、画質を向上させる」という役割があり、こうした目的や効果はカメラのレンズフードと同じだ。また視野絞りを小さく絞るとその像が見えてくるというのも、レンズに合っていない小さなフードをもし装着した場合、写真にフードが映り込んでしまうというのと同様だ。
 ここから、その役割や意味についてそれぞれ確認していく。


開口絞りの役割

 カメラのレンズの絞り、顕微鏡の開口絞りは同じだと言った。開いたとき、絞ったときの効果を表にまとめるとこうなる。

 被写界深度などの概念がわからなければインターネットで調べればたくさん資料がある。顕微鏡と違ってカメラに関する解説はネット上でも書籍でも大量に情報があるため、わからなければ簡単に調べられる。ここではその辺りの説明を省略する。
 ただカメラと顕微鏡で違うのは、カメラは「明るさと被写界深度をコントロールするために絞りを調整する」のがメインだけど、顕微鏡は「コントラストと分解能をコントロールするために絞りを調整する」のがメインになっている。顕微鏡の場合、明るさは光源の光量調整でできるし、被写界深度はそもそも薄いサンプルを見ていてステージや対物の上下動でピント合わせをするためそこをコントロールするために絞りを調整する必要はないためだ。


 開口絞りを動かすとコントラストと分解能が変わる、というのがよくわかる写真がオリンパスの↓のサイトにあったのですみませんが無断でお借りします……
  http://bioimaging.jp/learn/046/index_2.html

 ちょうどコントラストがギラギラしていないし薄すぎもしない、分解能も確保できている、というバランスが良くなるよう開口絞りを調整する。あるいは非常にコントラストの薄い試料を見るときに、あえて絞って分解能は犠牲にしながらコントラストを上げて観察するということもできる。


 画像に「開口絞り80%」と書いてあって、これはカメラで「絞りは最大よりも少し絞り目の方がいい」と言われるのと同じ理由からそうなっている。レンズは一般的に中心で最も性能が出る(収差が少なくなる)ように設計されていて、レンズの縁のあたりはあまり性能が出ていない(収差が多い)。絞りを開ききってレンズの大きさめいっぱいで光が入ってくる(光束が太い)と、レンズの縁のあたりの収差がのってきてしまって、画像がゆがんだりよくないことが起こるので、ちょっと絞り目にして中心付近だけを使いましょうということだ。
 ただしこの話は、さっき書いた「絞りを絞るとコントラストと分解能が変わる」という話とはまた少し別の話になっている。


 この画像に「※80%:対物レンズの瞳に対する開口絞りの大きさの割合」と但し書きが書いてある。この記事の一番最初で、開口絞りは「接眼レンズを外して見える黒い外枠の8割くらいの大きさになるように調整する」と書いた。つまり、「接眼レンズを外して見える黒い外枠」というのが「対物レンズの瞳」と言われるものだ。
 この黒い枠=対物の瞳は、対物によって大きさがまちまちになる。だから対物ごとに開口絞りをちょうどいいところに調整してやらないと、ちょうどコントラストと分解能のバランスのいい見え方にはならない。そのために、大きさが可変の絞りがついているということだ。


開口絞りと瞳

 カメラの絞りと顕微鏡の開口絞りは同じだという。しかし、カメラの絞りはレンズの中にあるのに、顕微鏡の場合は対物の中ではなくコンデンサに組み込まれている。この違いは何、ということを考えるときに「共役」という概念が登場する。
 すごく大雑把な言い方をすると、「物理的な大きさも位置も違うけれど、光学的には同じ大きさ・同じ位置にあることになる特別な場所」というのが「共役の位置」だ。
 本当は対物の中に絞りを設置できればいいけれど、カメラレンズと違って対物はかなり小さいから難しい。そこで対物の「ほんとは絞りを入れる位置」と共役の位置であるコンデンサの手前(光源側)に絞りを入れる。ここならスペース的な余裕もあるし、対物の中よりも光束(通ってくる光の太さ)が太いから絞りも大きくできて、作るのもずっと楽ちんになる。
 繰り返しになるが、対物の「ほんとは絞りを入れる位置」と開口絞りがあるコンデンサの手前側は共役の位置だから、物理的な位置は違うけれど光学的には同じ位置にある、だから対物の中に絞りがあるのと同じことになっている、ということ。


 ところでこの「ほんとは絞りを入れる位置」というのが、対物の瞳のことだ。さっき「接眼レンズを外して見える黒い枠」が対物の瞳だと書いたけれど、それのことだ。「対物の瞳」、「ほんとは絞りを入れる位置」、「接眼レンズを外して見える黒い枠」と異名が次々と出てきて混乱するかもしれない。
 ついでに混乱を深めておくと、共役の位置は他にもあって、人間の瞳と光源もそうだ。人間の瞳というのは瞳孔のこと。

 光源、開口絞り、対物の瞳が共役の位置にあるということは、実際に接眼を外して覗いたときにこの3つが同じ位置(同一平面上)にあるように見える、ということだ。開口絞りを広げたときに見えている黒い枠が対物の瞳で、開口絞りを絞っていくと黒い枠の中に見えてくる絞り像が開口絞り。光源は昔の古い顕微鏡だとランプのフィラメントがそのまま見えていたんだけど、最近の顕微鏡は熱を吸収するフィルタやフライアイレンズが入っているためそれらの像が見える。


 ところで、自分の目の瞳孔は直接見えない。外の明るさに合わせて大きくなったり小さくなったりしてるけれど、その絞り(瞳孔)の像を直接目で見ることはない。それと同様、接眼をつけて顕微鏡で試料を観察しているときには、光源も開口絞りも対物の瞳も見えない。しかし光源の電圧を調整すれば明るさは変わるし、開口絞りを操作すれば明るさやコントラスト、分解能や被写界深度が変わる。
 この、「目に映らないし像そのものとしては見えないけれど、光の量や質を操作できる」というのが「瞳」という位置だ。そういう「瞳」という特別な箇所がある、ととりあえずイメージしておけばいい。
 そして光源、開口絞り、対物の瞳が、目の瞳孔とみんな共役の位置にあるということは、これらが全て瞳の位置にあるということだ。


 実はここがわかると、一気に顕微鏡に対する理解が進む。
 微分干渉観察(DIC)だとコンデンサの後ろ(光源側)と対物の後ろ(接眼側)にそれぞれ専用のDICプリズムを入れて観察する。位相差観察だとコンデンサのところに位相差リングを入れて、対物は位相差専用の中に位相差リングが入っている(レンズに蒸着されている)ものを使う。実はこれが、全て瞳の位置になっている。瞳の位置というのは、光の性質を変えることができるけれど、像そのものは変えないという特別な場所だから、この位置に光を変調する(性質を変える)ような要素を入れている。瞳位置と共役ということを知ると顕微鏡のことが身近になる。


視野絞りの役割

 ここからはもう一つの絞り、視野絞りについて。
 視野絞りはさっき書いた通り、「見ている範囲の外側からくる光をカットすることで、画質を向上させる」という役目で、カメラのレンズフードと同じ目的を持っている。視界の外から余計な光がレンズに入ってくると、レンズの内部で変な反射を起こしたりして像が白くぼんやりしてコントラストが悪くなる原因になったりする。これを防止するのが視野絞りであり、カメラのレンズフードだ。(これも「レンズフード 役割」などで検索すれば効果の違いを写真つきでわかりやすく解説してるページがごまんと見つかる。)
 接眼を覗いて黒い外枠に外接するように視野絞りの大きさを調整する、という操作がこれにあたる。


 カメラレンズのフードも、顕微鏡の視野絞りも、視界の広さに合わせてちょうどいい大きさになっていないといけない。小さすぎると視界・視野にフードや絞りが入り込んでくるし、大きすぎると迷光をカットする効果が得られない。カメラレンズの場合はレンズそれぞれに専用のちょうどいい大きさのフードがついているのを、対物の場合はレンズそれぞれに合わせて絞りを調整してちょうどいい大きさにしている。


視野絞りと像

 顕微鏡の場合はカメラと違って、不特定の位置に光源があるわけではなく後ろから試料を一様に照らしている。だから立体的なカメラフードではなく、平面的な絞りで視野以外を照らさないように照明光をカットすれば済む。そう考えると、視野絞りは試料の真後ろか真ん前のどちらかに置くのが本来あるべき位置のように思われる。
 しかし実際の視野絞りの位置は試料がある位置ではなく、なぜかそれよりもずっと手前、光源の近くにある。ほんとは試料がある位置に入れるはずの絞りが、別の位置にあるのに、でも効果としては同じになっている。機械的には別の場所なのに、光学的には同じ場所……これはつまり、共役の位置ということだ。試料と視野絞りは共役の位置。接眼から覗いて試料を観察しながら、視野絞りを絞っていくと視野の中に視野絞りの像が見えてくるのは、試料と視野絞りが共役の位置だからだ。それだけではない。接眼から覗いたときに見える視野の円い枠もくっきりふちが見えている。つまりあの枠も共役の位置にあるということだ。この視野の枠は接眼レンズの中にある絞りで、視野環と呼ぶ。(接眼を外して後ろ側から見てみると黒い絞りが入っているのがわかる。)
 それから、それらが目で見えているということは、目の網膜に像が結ばれている(結像している)ということだ。つまり、眼の網膜も共役の位置にある。
 まとめると、視野絞り、試料、接眼の視野環、目の網膜は共役の位置関係にある。こういう像のラインがある。前に書いた瞳の共役位置とはまた別に、もう一つ顕微鏡には共役の位置があるということだ。


瞳と像

 瞳の共役と像の共役を重ねてみるとこうなる。

 瞳と像が交互になっている。交互なのは、「光源の像を対物の瞳に、光源の瞳を対物の像(視野)に投影する」という互い違いに組むというシステムになっているからだ。

 オレンジの線が光源の結像関係、青い線が試料の結像関係になっている。これは↓のページの絵を勝手に元にして書いています……
  


 試料の像が結像しているところは光源の像は結像していない(瞳位置になっている)し、試料の像が結像していない(瞳位置になっている)ところは光源の像が結像している、という互い違いのシステムになっている。システムに「なっている」というより、そういうシステムにユーザーが「する」。顕微鏡を使うときに、標本(試料)のピント調節や、コンデンサのピント調節、接眼の視度調節をしているのは実は、この互い違いのシステムが完成するように調整しているということなのだ。
 開口絞りはコンデンサの後ろ側焦点位置にあり、試料はコンデンサの前側焦点位置にあり、また試料は対物の前側焦点位置にあり、対物の瞳は対物の後ろ側焦点位置にあり、光源の像は開口絞りや対物の瞳、人の瞳孔に結像しており……というこのシステムの関係性は、そもそもの顕微鏡の設計に加えて、ユーザーが位置調整を施すことで完成する。


 試料の像のところが光源の瞳位置になっている、というのは、光学的には光源が無限遠にある、ということになっている。太陽が地上をムラなく一様に照らしているのは、太陽が十分に遠い位置にあるからだ。つまり「無限遠の位置に光源がある」ということは試料をムラなく一様に照らすことができる。この目的のためにこういうシステムになっている。ちなみにこの照明方式のことをケーラー照明という。


顕微鏡という光学システム

 この瞳の共役関係と像の共役関係という2つのラインこそが、顕微鏡という光学システムにとっての本質なのではないかと思う。瞳の共役関係の両端を見てみると光源→瞳孔となっていて、像の共役関係の両端は試料→網膜となっている。いちばん最初に光・物・目の3つをあげたけれど、前者が光→目、後者が物→目のラインになっているということだ。光学システムというのは物の姿を光によっていかに届けるか、というのが根本だと思うけれど、まさにそれが顕微鏡ではこの2つのラインだろうと思う。そして、この2つのラインのそれぞれに、開口絞りと視野絞りが属している。
 たとえば自動車なら、「物や人を移動させるシステム」なのだから、「エンジンからタイヤへどのように駆動力が伝達されるか」という話が本質だろうし、それと同じ意味で「人に物を拡大して見せるシステム」である顕微鏡にとっては、「物の像が目にどのように光によって伝達されるか」というのが本質的な部分で、それがこの、瞳と像という共役関係の2つのラインがある、という話になってる。


 たとえば自動車の操作では、「タイヤの向きを変えるハンドル」や「タイヤを止めるブレーキ」に比べると、「エンジンの回転数を変化させるアクセルペダル」や「ギヤ比を変えるシフトレバー」というのは直感的にはわかりにくい。そんな直感的にわかりづらい操作系がむき出しでユーザーに接しているというのは、それがそのシステムにとってより本質的な部分に対する操作であって、外すことができないからなのではないか。自動車にとって本質的な「エンジンからタイヤに駆動力を伝える」という部分に、直接的に介入して操作するアクセルやシフトレバーは直感的にわかりづらくてもどうしてもユーザー操作からは外し得ない。
 それと同様に顕微鏡では、ピント調節やステージの移動に比べると開口絞りと視野絞りは直感的にわかりづらい操作だ。しかしそれでもユーザーに操作させるようになっているのは、この二つが顕微鏡にとって本質的な部分、光→目、物→目の2つのラインをそれぞれ操作している要素だからだ。
 そんなわけで、顕微鏡というシステムにとって最も本質的なんじゃないかと思われる、このコアの箇所について、光学的に厳密ではないとしてもまとめておこうと思った。






 これ、会社で教育用に自主的に(?)書いていた資料の、前半3分の1を抜き出してさらに圧縮して書き直したもの。ちょっと顕微鏡を触ったことはあるけど仕組みは何にも知らないって人にどの順番でどの粒度で説明したら一番すっきり把握できるかとことん考えながら、元の資料はもう少しカメラを知らない人でもわかるように手厚く書いていて、またその後で70年代に起こった色収差補正系の変化と、90年代に起こった有限系から無限遠系へのシフトの話、各種観察法の話、さらに細部を展開しているけれど、みんな削り落としてコアだけを抜いたのがこれ。
 このコアの話は顕微鏡にとって一般的な話で、メーカーの人でもユーザーの人でも光学顕微鏡にかかわりのある人にとっては面白いんじゃないかなあと思って、だったら誰でも見られるところに置いておくのが世のため人のためじゃないかと思って。それにどうせ、この辺はほとんど就業中じゃなくてプライベートで書いてるし別に公開してもいいかなと思ったの。