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ニーチェやソシュールやフロイトやマルクスが見せる、矛盾や断言の回避、非言及について、それを解消して整合を取ったり体系化すると彼らの何が見失われるか(そうした実際の試みとそれが何を見失ったか)が語られていく。形式体系は自己言及の禁止・排除によって成立するという事実を見ようとすることがその非整合性をもたらすという。柄谷行人自身『世界史の構造』周辺は体系的な仕事だけど、それ以前に体系化による隠蔽についてひたすら考えた運動を経た上でのことだという点を見落とすと、本当には読めないんだろうと思う。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/04/04
- メディア: 文庫
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