やしお

ふつうの会社員の日記です。

楽しくて自発的な管理社会

 リングフィットをやっていてふと、SFとかで未来の管理社会が「色んなものが許可されてない」世界として描かれるイメージあるけど、現実にはむしろ「おすすめされてない」みたいな形になるのかな、みたいなことを思った。あなたの選択ですみたいな顔して、納得感をしっかり与えながら、選択を誘導していく。こうするとあなたのためになりますよ、お得ですよ、楽しいですよ、という形で特定された選択肢が提示される。他の選択も取ることができるが、どうしてもそれを「自然に」「自分の意思で」選択してしまうし、実際にそれを選択すると満足感や幸福感は裏切らずについてくる。ゲームみたいに上手に報酬系が設定されて、そうしたくなる。
 YouTubeのおすすめ動画とかで既にそれなりに現実になってるものが、もうちょっと広範囲に、巧妙に、的確に、逃れようもなく発展してきたら、「SFの管理社会」が結果的に実現される。そうなってくると今度は、人間を操作することへの規制もかかってきたりして、操作した方が幸せだ派とのせめぎ合いが起こるんだろうか。生理的な人間のバグを突いた攻撃をしかけるんじゃない、という規制は、詐欺などでももうあるし、それに近い感じかもしれない。ついこの間、中国共産党百周年のニュースで、米国留学してた若い中国人が「アメリカの方が自由があっていいと思ったけどコロナ対応とか見てると中国の方が正しい」と言って中国に戻っていく、みたいな話をやっていて、そういう意味ではもうその種のせめぎ合いも始まっていると言えるのかも。
 リングフィットが強制力や拘束力の強いゲームかというと全然そんなことはないけど、こんな上手に「ふつう続けられない運動」を楽しく続けさせてくれてありがたいなあと思いながら、そんなことをちょっと思っただけ。政治的にどうか、現実の未来でどうか、というより、SFなどの作品として描かれた時により現実味を覚える描き方が、時代が進むと変わってきたりするけど、これもその一種かも、くらいの感じで思っただけ。