やしお

ふつうの会社員の日記です。

今をもっと野蛮な世界にしていく

 未来から見たら、現在はずいぶん野蛮な世界に見えているのだろう。現代から中世・近世を見ると(怖すぎる)(生きていけない)と感じるのと同じなのだと思う。「野蛮」は、「そういう世界が存在する(した)のは理解できるが、この世界を知った上でそっちの世界に行くのは厳しいと感じる」ような気持ちをさしあたり言っている。
 野蛮になりそうなポイントや、野蛮になってほしい物事をぱっと思い付く範囲で挙げる遊びも楽しいかなと思って。


ポイント・クーポン

  • ダンピング同様、消費者が品質・価格によって商品やサービスを正当に評価・選択する環境を壊している。独禁法などでいつか規制されたりするのかもしれない。
  • 調べる力や余裕がない人、スマホを持っていない人、たまたま利用した人を相対的に損させてしまう。
  • この損得を考える時間は人類の損失だろう。
  • 〇〇経済圏などの囲い込みも似た歪みを生じさせる。
  • AIが複雑なお得ルールも最適解をさっさと出してくれるようになったら、より複雑化に拍車がかかるのか、無化されて消滅していくのか、どっちなんだろう。

 

割引

  • 閉店間際のスーパーのお惣菜のような純粋な在庫処理ならともかく、○○スーパーセールやブラックフライデーは、その分のマージンを別で取ることで実現していて、セールでないタイミングで買った消費者を相対的に損させる。
  • サイゼリヤが理想に近い。クーポン・ポイント・割引もなく、誰もがおなじ物を食べたらおなじお金を払うだけ。客を平等に扱ってくれていると感じる。

 

リボ払い

  • フールペナルティの一種。
  • リボ払いで巻き上げた利息が消滅すると、クレジットカードの「年会費無料」や「ポイント」もなくなるかもしれないが、その方が正常な世界だろう。

 

経済を回す

  • あるものを長く使う(修理やリユース、還流)方が環境負荷も低減される。
  • 「消費して経済を回す」という価値観も、産業資本主義の枠組みで導出されるだけで、「そうでないシステム」の中では「野蛮」と見えるのだろう。(柄谷行人の言う交換様式Dの世界とか)

 

大きな経済格差

  • 「上位1%が世界全体の個人資産の4割を持つ」経済格差、「人間ひとりが豊かに生きること」に必要な量をはるかに超えて資本を占有し、一方で貧困に喘ぐ人々が大勢いる状況はいびつだろう。
  • 職業の種類で金が集まりやすいかの差があっても、その差を再分配で埋めないのは、奇妙な社会かもしれない。
  • 冷戦時代の方が(東西でお互いをユートピアとしてアピールする圧力で)現在より福祉国家だった。その意味で「未来から見ると」というより「少し過去から見ても」野蛮な現状かもしれない。余裕を失って新自由主義社会へ移行した以上、福祉国家に戻るのは簡単ではないのだろうとも思う。
  • 再分配の一種である日本の国民皆保険制度も維持できなくなっていくなら、「逆に過去から見て野蛮」が生じ得る。

 

ネット広告

  • スマホでのコンテンツ視聴時のデータ転送量の約4割が広告」という調査結果もあったが、これがみんながハッピーな状況、全体最適とはちょっと信じられない気持ちある。
  • 質の低い広告を見せられると苦痛なので、積極的にハイブランド(ジュエリーやファッション)の広告をクリックして、なるべくそういう広告が出てくるようにする、というバッドノウハウみたいなことしてる。
  • YouTubeは広告をなくしたくてサブスクに入っているが、個別ではなく「インターネット全体に対するサブスク」があると便利なのになとちょっと思っている。例えばプロバイダにプラスで払った月額の大きさに応じて広告の表示量が減る、閲覧したコンテンツに応じてコンテンツの作成側・プラットフォーム側に支払われるみたいな。
  • 「個別のプラットフォームごとのサブスク契約」がなくなってくると、プラットフォームにとっては「優良なコンテンツを囲い込む」より「クリエイター側/消費者側にとって利便性が高いプラットフォームを構築する」方にインセンティブが働いてくれるのだとしたら嬉しい。

 

秘書・執事・外商

  • 旅行の計画や家電の選択など、条件や選択肢が多いと本当に疲れちゃう。
  • AIが代行してくれて、セレブリティやエグゼクティブだけが秘書・執事・外商を利用できた時代も「野蛮」になりつつあるのかも。
  • 「そうして自力で考えることをやめて久しい人間は、AIに決められた方向性を疑うこともなく……」みたいな近未来お話の導入にありそう。
  • 会社の仕事でも、情報のソースはあって形を整えたい時に(エクセルやパワーポイントにまとめるとか)、誰かやってくんないかなあの場面も、代わりにやってもらえると嬉しい。
  • 予算申請とか確定申告とかも、楽になるといい。
  • 一方で全てがAIに代替はされず、囲碁や将棋、小説(特に純文学)や詩歌など、「AIの学習の結果ではなく、過程を人間がやる、その中身を見ること自体に意味がある」みたいな(AIを参考にしても)AIに代替させる意味がない営みは、そのまま残っていくのだろう。「人間がやりたいわけでもなく、仕方なくやっている作業」を代替してほしい。

 

外科手術

  • 非侵襲な治療や再生医療の発達で、外科治療や臓器移植などは「当時は仕方がなかった」ように見える日が来るのかも。
  • 瀉血を現在の目で見る感じ。
  • 医療漫画の『K2』なども、長期で連載するうちにどんどん低侵襲な外科治療にシフトしていっている。

 

献血

  • 血液を低コストで量産できる体制が整えられるといいよね。
  • 白血球は代替できる薬があるが、赤血球と血小板の代替技術がまだ開発の途上なので、現状では献血に頼るしかないとのこと。

 

実験動物・臨床試験

  • 既に細胞培養やコンピュータシミュレーション等で代替が進められつつある。
  • 臓器提供・献血・治験がなくなると、「人体を医療目的で提供する」という概念自体が過去のものになるのかもしれない。

 

妊娠・出産

  • 対外受精+人工子宮が低コストかつ高安定性で実現されれば、女性の身体に大きな負荷をかける妊娠・出産も「過去のもの」となるのだろうか。一定の少数割合で(宗教的なコミュニティなどで)残り続けるのかもしれない。
  • 例えば「麻酔技術がなかった時代」が過去になったような感じ。
  • 人間は直立歩行(=脳の発達)と引き換えに産道が狭くなり未熟児状態で出産せざるを得なくなった(その方向で進化した)と聞くと、人口子宮でその縛りがなくなると、もう少し大きくなってから「出産」するように変化したりするのかもしれない。
  • そうした状況下では「男性が同意を得ず女性を妊娠させようとする行為」は今よりさらに危険で許されざる行為として、より大きな刑事的な責任を問われたり、パイプカットが当たり前になったり(精巣からの採取による体外受精)男性側にも変化が生じるのだろう。

 

サウナで整う

  • サウナと水風呂を交互に入った後、体を外気に曝すことで深い快感を得る行為を「整う」という。
  • 既に極端な入り方は身体への負担が高く危険と指摘されていて、もう「野蛮」と見なされつつあるようだ。
  • 「急激な血圧変化をわざと起こして快感を得る」のだとすると、「ドカ食い気絶部」(空腹状態で高カロリー食を大量に摂取して血糖値を急上昇させ、強い眠気を生じさせる)に近いものを感じる。
  • もちろん自分の身体をどう傷つけようが本人の自由だ、というのはその通りかとは思うが……

 

ホームドアのないプラットホーム

  • JR横須賀線で15両編成の湘南新宿ラインが猛スピードで通過するのを、(この質量と速度で移動している物体に、後ろから押されるか、意識がなくなって倒れて接触したら、絶対に死ぬ)と思いながら眺めている。高い崖の上から下を覗くような感覚。
  • ホームドアが「常識」になった状態からだと、「よくあんな恐ろしい状態で運用してたな」とはなりそう。

 

モンスタークレーマー

  • 客が店を評価する(食べログGoogleマップ)ように、店が客を評価する仕組みが当たり前になっていくのかもしれない。
  • 既にネットオークションや、Uber(配車サービス)なんかは双方向評価になっている。「ユーザー同士」の場合だと「おかしな客」のリスクが許容できないので導入が早い。
  • 評価情報が集約されて、レートが低いと「最初から出禁」になる店が増え、そうなりたくないから客側も自重していったら、モンスタークレーマーはだいぶ減るのだろうか。管理社会って感じ。

 

天然素材

  • ダイヤモンドも、ラボグロウン(人工)が既に装飾用途で実用化されている。採掘にかかる労働問題がクリアされている。
  • 牛肉も環境負荷が高い(鶏肉に比べて)とも言われていて、おいそれと食べられなくなるのかもしれない。
  • それで天然ダイヤや牛肉の消費が完全に消滅するわけではなく、ダイヤは還流するとか、牛肉はハレの食べ物に戻るとか、立ち位置がシフトする(好き放題な消費は「野蛮」という価値観にシフトする)のかも。食器もプラスチック素材が出てきても、陶磁器や漆器も消滅はしなかった。

 

旅行

  • 経済的な平等性や環境負荷低減、リモート技術向上などが進むと、将来的に「一般人が海外旅行に行くなんておかしい」みたいになったりするんだろうか。
  • 個人的には国内旅行も海外旅行も好き(特に言語や「常識」が通じないヒリヒリ感・異世界感をたまに感じたい)なのでそうなったら少し悲しい。
  • 逆に技術革新によってコストと環境負荷が劇的に下がった長距離移動が実現されてもっと気軽になったりするのだろうか。
  • 一方で国をまたいだ移住などは、国内の文化的な衝突を回避したいという方向で各国がクローズドになりつつあるのかもしれない。

 

戦争・紛争

  • 10歳くらいの頃に「都道府県間で戦争が起きないのだから、国の間もそれと同じになって戦争って将来的にはなくなるんだろうか」と素朴に考えていたのを覚えている。21世紀も4分の1が過ぎてこの状況なのは現時点で「野蛮」だと言うほかない。
  • 安定した国の内部で武力紛争が発生しないのは、大きな暴力装置(軍・警察)が一元的に管理できている状態が維持できているからだとすると、国家間/世界全体で一元管理できている状態が実現されることが「なくなる」の前提条件なのだろうか。各国が自国の軍組織の運営権を一斉に(雪崩を打って)国際機関(国連?)に贈与するような状況にならないと難しいのかもしれない。
  • そこに至らない現状で、マクロ・ミクロで発生防止や事後の復興・安定性確保に人生をかけて取り組む人々がいる。

 


 挙げればキリがない。あと専門家(その分野での先端技術を見ている人)からすると「もうやっとるやん」みたいな話も結構ありそう。
 だんだん「肉体などという物に生命が縛られていた時代とは、なんと野蛮だったことか」みたいな話になりそうだけど、そこまで遠過ぎない範囲で、50年くらいの間にそうなってもおかしくないかも、くらいの範囲を色々考えるとちょっと楽しい。
 逆にトゲトゲの鎧を着た人に恐怖で支配されて、世紀末覇者が出てきて、未来の方が野蛮になるかもしれないし。




↓は投げ銭代わりの設置。お礼しか書いてない。

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