やしお

ふつうの会社員の日記です。

2022-04-03から1日間の記事一覧

横田増生『ユニクロ潜入一年』

https://bookmeter.com/reviews/105569944 「商品は良いが会社はevil」という印象通りの報告。国際NGOから東南アジアの下請け工場の労働環境の悪さを指摘されて、全く同じ工場なのにH&Mが「指摘の問題が確認されたから改善する」と回答してユニクロが「ご指…

篠田英朗『紛争解決ってなんだろう』

https://bookmeter.com/reviews/105393705 少し前に、ウクライナ侵攻に関してTwitter上で、著者の篠田英明氏を「現実の戦地・政治をリアルに感じ取ることのできない学者」と誹謗した橋下元府知事が、「この人は現場経験あり過ぎるだろ」と総ツッコミを受けて…

諏訪恭一『品質がわかるジュエリーの見方』

https://bookmeter.com/reviews/105122040 本書1冊で基礎知識と価値基準が共有されて、ジュエリーを見る解像度が上がる。写真も豊富で美しい。バランスや適材適所かをトータルで判断するもので、例えばダイヤの4Cに拘泥してマニア的に執着したり、ブランドの…

小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』

https://bookmeter.com/reviews/105121993 小川洋子は10代の時にハマって全作品を読んでいたのが急に離れて、17年ぶりに読んだのが本作だった。相変わらず見事な手腕だった。「誰も見向きもしないささいなことにこだわってしまう人物」「肉体のいびつな変化…

刑部芳則『公家たちの幕末維新』

https://bookmeter.com/reviews/105569850 幕末期の公家・朝廷でも「テロで命の危険にさらされると政治権力の取り得る選択肢が極端に狭まってしまう」状況が起きていたことがよく分かる。孝明天皇含め朝廷上層部は、日本と海外の国力差を考慮して「攘夷は望…

渥美俊一『チェーンストア組織の基本』

https://bookmeter.com/reviews/105569800 サイゼリヤ正垣泰彦やニトリ似鳥昭雄ら創業者が、渥美俊一のサロンメンバーで、渥美のチェーンストア理論により国内最大手になったという話を正垣の著書で知って渥美の理論書を読もうと思った。自分が大手製造業に…

松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない』

https://bookmeter.com/reviews/104717967 ASD(自閉スペクトラム症)では「人の行動には意図がある」という理解が困難なのだと知ると、実は自分は無意識にそれを自明の前提として生きてるんだと自覚することになる。逆にTD(定型発達)が「意図を勝手に(過…

兵藤裕己『平家物語』

https://bookmeter.com/reviews/104717780 すごくダイナミックな平家物語の理解が示されて、読んでてワクワクする本だった。静的に固定化されたテクストではなく、成立の過程、その時代の政治的・思想的背景、あの世とこの世の境目、史実としての源平合戦と…

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

https://bookmeter.com/reviews/104776145 以前著者の『ヨーロッパ・コーリング』を読んで、小さい話(自分の身の回りの出来事)と大きな話(国際的な状況)、どちらか一方をできる人は多くても、両者を行き来して語れるのは貴重だと思った記憶がある。本書…

瀬木比呂志『絶望の裁判所』

https://bookmeter.com/reviews/105569711 元裁判官の筆者が、裁判所組織の中で人事権をテコにした裁判官の一元支配の構造を解説する本。憲法76条は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。」とあるが…

高野政所『大麻でパクられちゃった僕』

https://bookmeter.com/reviews/104776047 現行犯逮捕→留置場→起訴→勾留→裁判、の一連の流れが詳細で「逮捕されると起こること」の参考になる。「大麻は違法化されるべき嗜好品ではない」と主張されていて、実際にそうかもしれない(アルコールなどと比較し…