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例えば時代小説では価値観が今と地続きで書かれていたりする(藩=会社のアナロジーで読ませるものが多かったりする)が「東北の神武たち」は立ち上がりの直後から全く現実と切断された価値観で人々は動いている。ただしそれはデタラメではなくこの舞台(土地・習慣・制度・言葉)から不可分に導かれるということは読めば分かるし冒頭から瞬時に立ち上げる手法も分析可能だけどさっぱり分からないのはそもそもこの仮定がどこから出てきたのかということ。まるで独立して存在しているように見えるからオソロシイ、そして最高に刺激的な小説だ。
- 作者: 深沢七郎,戌井昭人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 文庫
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