http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9325270
第2部に入った瞬間が猛烈に刺激的だった。1部の最後で急に現実感を失って夢のようになるのが、2部の冒頭で「夢でも見ているような気がした」と始まったときはやってくれるぜと思った。1部での多数の同性間の関係性と、2部での二人の異性間の関係性を描く対称性や、1部と2部がお互いを相対化させていくところなどで、2部はわくわくしながら読み進めた。最後の『これはわたしが決めたことではないかも知れないけれど、やっぱりわたしが決めたことなのだ』という認識は柄谷行人「倫理21」と通底している。この責任の取り方にはぞくぞくする。
- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/24
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (23件) を見る