やしお

ふつうの会社員の日記です。

山本七平『聖書の常識』

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個人的にいちばん印象深かったのは、旧約聖書のホセア書で、神と争えば人が必ず勝つ、しかしその後絶対に人は神に憐れみを乞うことになる、という認識が示されるという話だった。人は神に勝つ、とは驚きの認識。こういうことかなと思った。神=絶対性とは何かを考えた時に、一般性/特殊性のラインから把握すれば神は人の所有物に成り下がらざるを得ない。せいぜい「主観的に選択される仮定」に落ち着く。でもその後で、実は一般性/特殊性のラインに回収されない項を単独性の中に見出すことになる。人はそこで改めて神に出会うのである。みたいな。