やしお

ふつうの会社員の日記です。

柄谷行人『帝国の構造』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/41628085

カントやライプニッツを引きつつ普遍宗教について語るけどこれは、88年の『探究II』で書いてた「単独性」が前提されてる。徹底的に客観視するとその果てで一般性-特殊性のラインに回収されないような単独性に突き当たる、という認識があって初めて理解できる。本書は『世界史の構造』の補足3冊目だけど、いずれも4種の交換様式とその組合せをベースに諸々を位置づけられますよって話で、えーっそのベースを自ら壊しにいく方向にはもういかないのかなと寂しくなるけど、よく考えたら70超えてる人にそんなの求める方がどうかなって気もする。


メモ
・交換様式Cから資本主義を把握していく作業をしたのがマルクス(なのでマルクスが古代社会についても交換様式Cを前提にして語ってしまうのはある程度しょうがない)
・帝国は宗教や自治を個別に認める方向にいく性質があって、その辺を認めない方向にいくのは「帝国主義


帝国の構造: 中心・周辺・亜周辺

帝国の構造: 中心・周辺・亜周辺