佐藤優『獄中記』

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独房の中で国際情勢、政局、自身の状況、思想・哲学、宗教、拘置所の生活等々に関してかなり客観視して書かれていく。知識を得たいというより、物事の構造を正確に理解したいという著者の志向が広範に徹底されてどの分野の話も面白い。それらが日記として統合・整理されずに入り混じったり結びつけられたりしていく。何より基本的にポジティブ（人生を通して幸せを最大にしたいという思想）なのが読んでてうれしいけど、意識的にそうした面を出さないと気持ち的にバランスが取れないという状況だったのかもしれない。あとブックガイドにもなってる。