https://bookmeter.com/reviews/85511781
既存の官僚機構を無化する形で「第2官僚」が形成されていくプロセスが語られているのが面白かった。自民党内部にあった「日本経済再生本部」を内閣に移し、民主党政権下で停止されていた「経済財政諮問会議」を復活させ、そこに経産省を中心に首相に近い官僚(や官僚OBや学者)を任用する。そうした官邸官僚が外交や労働行政、教育行政を本来の専門性を持った省庁に代わって主導する。専門性もなく責任の所在も曖昧な、「全体の奉仕者」ではない「官邸の奉仕者」が、法的な根拠もなく形成されてしまう状況が今観察されるという。