やしお

ふつうの会社員の日記です。

辻井喬『茜色の空』

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元首相・大平正芳の生涯を見ると、自民党宏池会の「大蔵省の官僚が時代状況に要請されて国会議員となってグループを形成していった」という源流がよく分かる。「政治家になりたくてなった」わけでも「親が政治家だから政治家になった」わけでもなく、本来は学者になりたかった人物が国政の政治家になると、どういう内面的な葛藤や折り合いの付け方をすることになるのかが面白い。中選挙区制で党内党(派閥)の独立性が強かった時代に首相になる過酷さも描かれる。