やしお

ふつうの会社員の日記です。

赤瀬浩『長崎丸山遊郭』

https://bookmeter.com/reviews/113340753
遊郭のイメージが変わる。交易地という長崎の特殊性が、「海外⇔上方間で流通する富を長崎に回収する装置」としての遊郭を生じさせる。丸山の遊女は他地域の遊女と異なり、「親に売られ、閉鎖空間に閉じ込められて性産業に従事させられる女性」というより、地域社会の一員として扱われ、キャリアパスとして年季が明ければ地域社会へ戻るし、行政(奉行所)からも手厚く保護される。その代わりに遊女屋がスケープゴートして遊女・地域社会・奉行所からの憎まれ役・損な役回りを押し付けられるという点も、システムとして面白かった。