やしお

ふつうの会社員の日記です。

嬉しかった買い物、コロナこわかった話など2021

 さっきまで2020年の年末だったのに、いきなり2021年の年末になっていた。実感としてはその通りだが、振り返るとたしかに色々あった。そういう「色々」も時間が経つと忘れていくので自分のためのメモ。
 ただ総じて大きな変化のない一年で、「一瞬だった」という感覚も、そこに起因していると思われる。


買い物

 コロナで旅行などへのお金は使わないし、家にいる時間も多いし、今年は「自宅を快適にするもの」を色々買ったりした。


【食洗器】

  • 食器洗いがあまり苦ではなく、欲しいと思っていなかった。そんな人間でも導入したら「楽だ」と思った。
  • iPad登場時も「PCで出来るから不要」と思っていたが、会社の同期に勧められて買ったら「家のどこにいても使える」はPCとはまるで別の体験だと感じたのを思い出した。
  • もし洗濯機が出てきた時に生きていたら「手で洗えばいいから不要」と思うタイプの人間だったのかもしれない。
  • 「でかい」「うるさい」と散々ネットレビューで見て怖かったが実際気にならなかった。台所も邪魔で困ることもなく、食洗機のせいでテレビの音や会話が聞こえないなどもなかった。ダイニングとキッチンが一体化した間取りだとうるさいかもしれない。
  • 購入の検討が大変で本当に疲れた。食洗器の種類、スペース的に設置可能かどうか、分水器は何を買えばいいか、取付けの手順はどうか等々、調べ疲れた。執事が勝手に調べてほしいが、執事などいない。
  • 本体と台と分水器とアース付きの延長コードを買った。
  • 設置そのものはそれほど大変ではなかった。
  • 購入後、綾瀬はるかのCMを見て(うちのと同じ!)と初めて気付いた。完全に無関心なものは目に映っていても記憶には残らないんだなと思った。


【ウォシュレット付き便座】

  • 妻と何かの流れで便座の話題になり、当日中にもう注文していた。
  • 自分はいつも大便を会社で済ませていたため、自宅での必要性をあまり感じていなかった。
  • 「時間の縛りで給与が規定される」状況に対するコンテンポラリーアートみたいな気持ちで「私の排便によって賃金を発生させる」をしている。
  • 会社のトイレにウォシュレットは以前からあったが、ずっと怖くて使ったことがなかった。数年前から使い始めてその有用性を感じていた。
  • 出社が主の私と、在宅勤務が主の妻との間で、排便環境に格差があるのは良くないと思った。
  • 温水を溜めて出すタイプと都度温めて出すタイプなど、色々な種類があると調べてから分かった。
  • こちらは調べて選定して注文するまでそれほど時間がかからなかったので、疲れずに済んだ。
  • 一方で取付けが本当に大変だった。
  • 便座と便器を取付けているナットが完全に固着しており本当に外れなくて困った。トイレの空間が狭く、かなり不自然な姿勢での作業でとても苦しかった。
  • 最終的に根性で何とかなったが、注文する前に一度便座を外せるかどうかまでは試した方が良いかもしれない。


【65型の有機ELテレビ】

  • 45型の液晶テレビからの買い替え。
  • 引越し前、一人暮らしの時に使っていたテレビだったが、今の部屋ではサイズアップしても大丈夫かと考えた。
  • 高額で、価格の変動もその絶対値が大きいので、ずっと価格コムで推移のグラフと睨めっこしながら買った。あずき相場みたい。
  • 既に新モデルがリリースされディスコンになった後で、値段は下がっていくものの、在庫がはけ切る前は逆に価格が上がる傾向にあるようで、タイミングが難しいと知った。オリンピック前はやはり割高になっていた。
  • スタンド、HDD、転倒防止器具なども色々調べて注文して疲れた。
  • 据え付けは、2人で扱える限界だと思った。パネルがものすごく薄くて持つのが恐ろしかった。
  • 梱包自体はよくできていて、搬入・開梱・設置の過程で一度も寝かせることなくずっと立てたまま終えられるようになっている。
  • しかしうちはテレビの背面にスタンドを取り付けることにしたため、テレビを一度寝かせて再度立てるという工程だったが、「一度寝かせたテレビを立てる」は極めて大変だった。
  • 心が折れそうになったし、パネルも折れるんじゃないかと思った。
  • 梱包材(段ボールと発泡スチロール)がかなりの量で、廃棄が大変だった。
  • 大手の家電量販店だと、設置から梱包材の引取りまで含めた作業パックがあり、お金が許せばその方が良いと思った。
  • 当たり前だが「デカい」と思った。自宅というより会議室みたいな感じ。
  • 導入から数ヶ月が経ち、見慣れたが、ふとした瞬間に「デカいな」と思う。
  • あと急に低音が強調されて重厚感が増した。いつも見ていた番組の低音が妙に強調されるとなんか笑ってしまう。
  • モルカーのブルーレイを見たら本当にきれいだった。デカい。よかった。


【ダイニングテーブル】

  • 二人暮らしを始めて丸2年ほど、ずっと一人暮らしの時に使っていたローテーブルを使っていた。
  • これも自分は導入に消極的だった。ソファもあるため、ダイニングテーブルも入れると狭いかと思った。
  • 使い始めてみると買ってよかったという気持ちになった。
  • 妻は「導入しても邪魔にはならない」と言っていたが、彼女の見立てが正しかった。ダイニングがダイニングらしくなった。

 


【ミラーレスカメラ】

  • ニコンのZfcを買った。「自宅を快適にする」とは関係ない。
  • 製品発表を見て「うわーほしい!」という気持ちになった。カメラ製品で強く「ほしい」と思ったのは、2011年にP300(ニコンコンデジ)以来。
  • 14年ほどデジタル一眼レフカメラを使っている。センサーサイズがAPS-C、バリアングルモニタというボディをずっと選んでいた。
  • 旅行か自宅内でしか使っておらず「もう少し気軽に持ち出したい」と思っていた。
  • ミラーレスなら多少軽く・小型で持ちだし易いかと買替えを検討していた中でZfcが発表されてタイミングが良かった。
  • 手元に届くまで随分時間がかかった。世界的な部品不足の影響。
  • 絞り・シャッタースピードISO感度・露出などの設定が物理的なダイヤルで操作できるのは便利。
  • 電子ビューファインダーは初めて体験したが、「実際に撮れる絵と同じ像が見える」のは従来の光学ファインダーと比べて便利。
  • 購入後に外装色が変更できて、散々悩んでサンドベージュにした。バンドも合わせた色を別に買った。
  • 道具は、その用途を満足するだけでなく、「持っていて嬉しい見た目をしている」は非常に大きな要素だと改めて感じた。
  • ずっと広角の単焦点レンズをつけっぱなしで使っていた。キットの標準ズームレンズはあまり良くないという印象があったが「結構いい」という気持ちになって、追加で単焦点を買うか望遠側が広いズームレンズを買うか迷っている。


【結婚指輪】

  • ふと思い立って結婚指輪を作った。
  • お互いに名字を変えたくないということで、婚姻届を出していない。
  • パートナーであるという認識はお互いに持っている。
  • 自分の入院を前に、多少何か公的な証明があった方が良いかと思い、住民票を届出無しの夫婦に書き換えた。
  • そうして書き換えたり、病院でパートナーが「奥さん」と呼ばれたり、自分から「妻が」と説明するうち、なんか夫婦の自覚が出てきた。
  • 退院後に作ってみてもいいかと思って妻に提案した。
  • 個別にデザインしてくれるジュエリー屋を選んだ。ネットで色々な結婚指輪を眺めてしっくりこなかったため。
  • 色々見る過程で、「ハリーウィンストンを頂点とする、ブランド格付けランキング」が存在するらしいと知った。愚かだと思うが、「アンパンマン強さランキング」などがどうしても好きなので、ちょっと見てしまった。
  • 奇抜なデザインにしたいわけではなかったが、細かい部分でカスタマイズできて良かった。
  • 最初に製作のデッドラインを聞かれて、普通は結婚式などのイベントに合わせてつくるものなんだなと今更知った。
  • 指輪の裏面に入れる日付をどうするか聞かれて、結婚式もしておらず、婚姻届も出していないため、明確な区切りの日は特にないなと改めて思った。
  • もともとキラキラしたものが好きなのだ、ガンプラ武者頑駄無とか)のホログラムシールやクリアパーツが好きだったと思い出した。あとモスクワのクレムリン博物館でティアラなどのものすごい宝飾品を見て心躍ったのも思い出した。石も入れてキラメキを味わえて良かった。(指輪とは関係ないが)ミネラルショーに行ってルースを買ったりもした。
  • 腕時計以外のアクセサリーを身につけたことがなかったが、ジュエリーを身につけるよろこびを味わえてよかった。

 


モルカー

  • 今年わが身に訪れたコンテンツの中では最大・最良のものだったかもしれない。
  • 昨年末に「年明けからモルモットを題材にしたアニメが始まるらしい」と妻から情報がもたらされた。(妻はモルモット好きでモル情報の感度が高い)
  • 昨年12月に事前のオンラインイベントが開催され、妻は視聴したが、視聴者は400人程度だったという。アーリーアダプターだ。
  • 1月に放送が開始され、1話を見てとてもびっくりした。モルカーという存在そのものへの驚き、実写の人間が出てきた驚き、無表情なのに表情豊かな驚き、シンプルなお話で「このポテトというモルカーの気持ち良い性格」が明快に描き出される驚き、ものすごい数のモルカーが動く驚き、それをストップモーションアニメで作り上げたことへの驚き。数々の驚きと喜びが詰まっていた。
  • 1話に登場したDJモルカーのドライバーは監督本人、ポテトのドライバーは監督の姉であることは分かっていたが、ブルーレイのオーディオコメンタリーで、救急モルカーに乗っていた夫婦が監督の両親だと後から知った。1話は家族総出なんだと思って見直すと感慨深い。なお9話で登場した婚約指輪は、母親のものだという。
  • 2話はシロモの健気さとそれが報われる話で、ドライバーからいかに愛されているかが伝わったし、3話はアビーの勇気と機転が見られる話で、「そのキャラクターの性格を知って好きになれる」のは嬉しかった。
  • 1話で「タイヤは回転せず歩く」「実写人間が乗り込んで運転」「しかし自身の意思でも動く」、2話で「車内の物をフンとして排泄する」、3話で「車内にも目を開ける」など、「モルカーという存在」そのもの、生態への驚きや興味も大きかった。
  • 11話で本物のモルモット(つむぎ)が登場した時は本当に衝撃的だった。
  • 新しい驚きや発見が毎話つまっていて「次にどんなものを見せてもらえるのか待ち遠しい」気持ちになった。
  • 始まってすぐ、会社や外注先の人などへモルカーを勧めた。「YouTubeで無料で最新話が公開されている」「1話が2分40秒と短い」は試しに見てもらいやすいポイントだった。
  • 途中で入院していた期間は、テレビ視聴にお金がかかる環境だったが、毎夜のニュースウォッチ9と火曜朝のモルカーだけはテレビを見ていた。
  • 1月の放送開始から1年で、グッズやイベントも増え、ゲームもリリースされ、「人気が出ていく過程」を見られたのは面白かった。
  • 1月時点では、お好み焼き屋(道とん堀)のコラボで、紙に印刷された塗り絵を貰えて、それでも「グッズありがたい」という気持ちだった。
  • 今では本当に多種多様なグッズも出ていて、おもちゃ売り場でも普通に他のキャラクターと混じって置いてあって、定着した感がある。
  • 1月に私が作ったお好み焼きの写真(シロモ)↓

  • 映画も見てきた。MX4Dで大勢で同時に眺めてるのは不思議な感じがした。
  • 渋谷パルコの展示イベントも行った。本物のモルカーを見られて感動した。ポテトのこけしも買った。
  • ポテトのこけしは、ロシアのマトリョーシカと、ドイツのキツネと一緒にテレビの下にいる。


仕事

  • 業務の内容もポジションも大きな変化はなかった。
  • 残業が平均的に増えている。減らしたい。10h/月以下とかにしたい。
  • 海外の外注先は一度も行っていない(行けない)し、国内も同じ市内の外注先にばかり行っている。
  • 何か自分が大きく成長しているとか新しいことを覚えたり知ったりしている、という実感がないと、何となく不安な気持ちになる。
  • 大平正芳元首相を描いた『茜色の空』で、大蔵官僚時代の大平が「仕事はできるようになったが自分自身をアップデートできてなくて不安」と学者と対話したり学術書を読んだりしていて、割と3,40代で一般的な不安・悩みなのかもしれない。
  • 職場でグループリーダーになって3年が経ち、色んな判断の精度は少しは上がっているのかもしれないとも思うけれど、定量化して数値で見えないとよくわからない。
  • その辺を↓にまとめたりした。

  リスクの洗い出しと判断のコツ - やしお

  • 何か知見をまとめて誰かに共有していく営みの割合が増えていくフェーズにいるのかもしれない。
  • 直接仕事と関係ないけど、↓もそういう文脈でまとめたものになっている。

  高卒新人に資産運用を説明する - やしお
 

  • メーカーの中で働いていて、今年の後半はとにかく部品不足がすごかった。
  • 自分は調達部門ではなくその隣の部署だけれど、就職して10年強でこれほど広範に逼迫したのは見たことがなかった。
  • 最初は半導体・電子部品だったのが、コネクタなど樹脂部品も軒並み不足していった。
  • 代替部品を検討したり、一度完成させた製品から部品取りしてより需要の高い製品に割り当てたり、いざ部品が来たら大急ぎで生産に入ったり、5年先のPOまで発行されたり、予定されていた新製品が延期されたり、かなり大騒ぎだった。
  • 物流の混乱もあり、アメリカから日本に来る貨物がなぜか別の国に行ったり、よくわからないことが起きていた。

 

  • あと今年は監査対応が多かった。個人的に多く担当したという意味ではなく、総量が多かった。
  • 年次の事業部内+外部機関でのQMS監査以外にも、本社共用部門によるQMS監査や、経営監査が別々にやってきたり、協力会社のISO新規認証取得のサポートだったり。
  • 世の中全体でそうした強化が進んでいるのと連動している。
  • QMSに限らず「社内の非効率や不合理は是正したい」という経営側の意思や圧力を感じる場面が多くあり、それ自体はいいことだと思う。
  • 一方でそうした是正をもっと効率的に進めたい(監査側への説明・インプットの負荷が高く冗長過ぎる)とか、課内で対応できる人を増やしたいとか、色々課題を感じたりもした。

 


交友関係

  • コロナが始まって以降の2年間、妻以外とは誰とも食事したり遊びに行ったりしていなかった。
  • 「日本の既婚男性は妻や職場以外での交友関係がない」という記事を最近見かけて、身につまされる思い。
  • 年末に久々に友人と会って話ができた。お互いの近況を報告するだけでも嬉しい。相手も既婚男性だが、職場と家庭以外で交友関係がないと言っていた。
  • 裏を返すと、日々の妻との会話や付き合いで高い充足感を得られているということで、本当にありがたいこと。自分もより良くあるように改善しないといけない。

 


健康

  • 大きな怪我や病気が無くて良かった。
  • 今年で36歳になった。「老化」の足音が聞こえる。
  • 以前は漠然と「だんだん悪くなっていく」のかと想像していたが、むしろ「とつぜん不可逆的に悪化し慢性化」を重ねていく気がする。スロープ状ではなく階段状に老化する。

 


【腰】

  • 会社で重い物を持った翌日、ひどく腰が痛んでかがむのも苦痛になった。筋肉痛かと思ったが1ヶ月治らなかった。
  • 整形外科へ行ったが骨や椎間板に異常はないとのことで、薬とコルセットを貰った。
  • 一生そのままかと思ったが、2ヶ月ほどで治った。
  • ストレッチなど日常的にもっとやるべきかもしれない。

 


【眼】

  • 仕事でも眼の疲れ(とそこからくる肩や背中の痛み)がしんどい。
  • PCの文字サイズを少し大きくした。
  • 「15分に1度、20秒は6m以上先を見る」をやれ、眼球を歪ませるな、とNHKで言ってたので思い出した時にやってるけど、忘れちゃう。
  • 老眼の始まりなんだろうか。

 


【入院】

  • 下の親知らずを左右とも除去するため、入院・手術をした。
  • 全身麻酔も入院も生まれて初めてだった。
  • 他にすることがないので、読書や書き物がはかどった。
  • 同和団体のボスを描いた『同和と銀行』を読んで、ちょうどその時期にオリンピックがらみで話題になっていた森喜朗が「余人をもって代えがたい」などと擁護される不思議は、この本と接続して「ドンはネットワークのハブとして機能している」と考えるとすっきり理解できるのでは、と思って、そんなことをブログの記事に書いた↓
  • とてもはかどって書けたし、今年書いた中で一番面白い記事だと自分では思っている。

  「ドン」がネットワークのくびれで機能する - やしお

  • 入院や収監、昔の船旅など「制限された状況で勉強や思索に集中できる」と言われるが、その通りだと思った。
  • 入院のあれこれを忘れないようメモを当時書いた↓ 特に「月をまたぐと高額療養費制度の適用で損する」は入院時期を決めた後にしって悲しかった。

  入院の費用・持ち物・過ごし方のメモ - やしお
 


コロナ

  • 「自分も死ぬかも」と具体的でうっすらした恐怖を感じながら生きたのは、2011年に原発事故があった当初、影響範囲が定かじゃなかった頃以来だった。
  • 7月に急増し、8月には1日あたり感染者数が2万5千人を超え、ほぼ全国で緊急事態宣言が発令され、病床が逼迫して医療サービスを受けられない人が出てきている、でもまだワクチンを打てていない、という状況は本当に怖かった。
  • その状況で「予定通りオリンピックをやります」はすごい判断(というか判断の放棄)だったなと改めて思う。
  • ワクチン2回目接種後、この辺の「その時の気持ち」を書き残そうと思い、あとワクチン絡みの時系列も忘れつつあったから↓でまとめた。

  新型コロナワクチン時系列 - やしお

  • 接種率の向上に伴って劇的に新規感染者数が減り、「ふつうに外出や外食できる」にこんなに大きな喜びがあるんだな、と思った。

 


勉強

  • 昨年は「コロナでTOEICの受験可能人数が制限されていて、大学受験や就職などで本当に必要な人が受けられなくなっている」といった話を耳にしたから、ずっと受験は控えていた。今年に入って大丈夫そうだったので、久しぶりに受けた。
  • 色々忘れていたので試験勉強をし直して、今までで最高のスコア(960点)が取れて嬉しかった。「ようやくスタートラインに立てた」と思った。
  • 嬉しい気持ちを残しておこうというのと、一つの区切りかと思って↓にまとめた。

  たった211ヶ月でTOEICスコア500アップ - やしお

  • それ以外は特に勉強らしい勉強をしていない。
  • 日本の地理(山や半島、市町村の位置関係など)をもう少しソラで覚えたいと思った。
  • 「全国市町村ジグソーパズル」というアプリを入れてしばらく遊んでいた。長野県が難しすぎる。長野は市町村数が北海道についで全国2位。(北海道は支庁別なので簡単過ぎる。)
  • あと浅井健爾『地理と気候の日本地図』を10年ぶりに読み直した。書名通り都道府県別に地理と気候を解説する本でわかりやすい。
  • ただ「あれこれ考えながら地図を眺める」習慣を持たないと難しいなと思った。

 


読書

  • 漫画以外で読んだ本が年に50冊を下回っている。絶対量が低下している。
  • 昔は早く退社したらカフェやファミレスで読んだり、寝る前に数十分読む習慣があったが、なくなったのも良くない。
  • 「冊数を減らしたくない」気持ちのせいで読みやすい本(新書など)の割合が増えている。
  • 「ギリギリ理解むり」な本を無理して読む体験が減っている。無理して頭使って読むおかげで認識の枠組みが押し広げられたりするが、サボっている。
  • 今年読んだ中で特に面白かった本3冊↓

 


磯田道史『近世大名家臣団の社会構造』
 「武士=侍ではない」という理解は、あまり一般に浸透していないと思われるし、自分自身も曖昧だった。その辺を整理して教えてくれる本だった。同じ国なのに、200年弱前に全く別の身分階級システムが運用されていて、その仕組みを知るのは面白い。
 侍は上級家臣で、家老や奉行などはそこに含まれる。江戸時代の武士が論じられる場合、侍層は多く語られるが、下級武士が解説されることは少ない。本書は、個別の藩(家中)や人物などの個別具体例ではなく、地域を超えた一般的な武士階級の一般構造を明らかにして、特に下級武士(徒士足軽層)の実態を詳らかにする点が特徴的で面白かった。
 著者は以前に『武士の家計簿』を著している。幕末期に加賀藩で会計処理を担当した下級役人父子の記録と生涯を解説した新書で、堺雅人主演で映画化もされた。この時は個別具体例にフォーカスしていたため、より一般的な構造について書いたのが本書だという。


辻井喬『茜色の空』
 首相 大平正芳を描いた小説。今年は岸田文雄が首相となったが、宏池会からは過去に池田勇人(60年)、大平正芳(78年)、鈴木善幸(80年)、宮沢喜一(91年)の4名が首相に選出されている。池田・大平・宮澤は大蔵官僚で、大平・宮澤は池田からの要請で政界入りしており、大平の生涯を追うと宏池会の源流や性格がよく理解できる。
 本来、思索的で学究肌の人物が、状況の要請で官僚・政治家の道に進み、それでも政治的判断のみに左右されないよう、時代状況を把握できるようにと、学術界や一般社会との繋がりを保とうと腐心してきた姿が描かれる。「親が政治家だから政治家になる」現在の政治権力の主流とはやはり大きな差異があると感じた。
 著者の辻井喬セゾングループ会長 堤清二)がなぜ大平の伝記を書いたのかと思ったら、父親で西武グループ創業者の堤康次郎が代議士であり、池田勇人と関係が深かったことから、堤清二も大平や宮澤らと交流があったのだという。


高橋昌一郎フォン・ノイマンの哲学』
 自分は高専の情報系学科を出ていて、授業でノイマン型コンピュータを習った際に科学者ジョン・フォン・ノイマンを知った。その無茶苦茶な天才エピソードが好きだったから、今年その生涯を解説した新書が出たのはとても嬉しかった。

  • 教授が未解決の定理を説明したら5分後に証明を提出してきた
  • 爆音で音楽を聞く習慣で研究室のアインシュタインの顰蹙を買っていた
  • 第二次大戦で原爆開発等、米軍・政府の研究に協力し超多忙な中、移動中の列車などでコンピューター・ロボット・ブラックホール・経済学等の基礎理論を構築した

などの強過ぎるエピソードの宝庫で笑ってしまう。恐らく人類史上でも最高峰の天才で、ギフテッド全体の中でのギフテッドに相当するのだと思われる。
 しかし単に天才としてではなく、他者との付き合い方への配慮や家族関係など、人間的な多面性も描かれて、単純化しない点がとても良い本だった。


創作

  • 昨年は何も書かなかった。昔はせっせと書いていた。別にやめたつもりも、やめたいとも思っていないのに、実質的にやめてしまっていた。
  • これは過去の趣味全般そうだったなと思って、「続ける」はどうすればいいんだろうと思って↓を書いた。

  本気でハマっていた何かを、「やめてない」という気持ちでやめていく - やしお

  • やめないで続けたいね、という話を書いた以上は、実際に何か書こうと思って↓の2つを今年は書いた。

  RTAごんぎつね - RTAごんぎつね(OjohmbonX) - カクヨム
  手のかかるロボほど可愛い - 手のかかるロボほど可愛い(OjohmbonX) - カクヨム

  • 色々「こういうの書きたい」と思って途中まで書いてみても、やっぱり面倒でやめてしまうことが多い。

 


ブログ

  • 「自分のために書く」「それを他人にお裾分け」の基本方針はずっと変わらない。
  • 「赤の他人(素人)の思考や体験が共有される」のがインターネットのすごいところ、という信仰に基づく。
  • 本人はお裾分けのつもりでも、読む側は平気で味に文句を言う(ブコメなど)。
  • ネット人口が増大すれば「お裾分け」ではなく「レストランの料理」と(対価も払っていないのに)見なす人も増える。
  • 文句を言われればつらいのでお裾分けをやめてしまう人が多い。
  • それでも黎明期の「お裾分け価値」への信仰を保とうとすると、「一定程度の調理技術で味を担保する」しかないため、そう心がけている。
  • 「私は勝手に書くだけ、あなた方も勝手に書くだけ」という理解でいるため直接的な議論や応答はしない。(Twitterなどもそう)
  • 勢いに任せて書いて公開すると、当人が気付く程度の瑕疵をあげつらわれたり、印象のみで非難される。書き終わって1~2日放置して手入れした上で出した方が安全だと改めて思った。
  • 1~2日の差で時機を逸するものはそもそも書かない。ニュースメディアではない。
  • ゲームなどのソフトウェアで、日本では「価値を評価するよりバグを非難する」傾向にあると言われる。似た現象かもしれない。

 

  • その方針で、はてなブックマークを自身が利用する際も基本的にコメントは書かない。
  • ただ他人のある記事で「書かれた内容ではなく、自分の感情に沿って否定しているだけ」のコメントが多数あるのを見かけて、あんまりだと思い、バランスを取ろうと「印象論で否定することしかできないなら黙っていた方が良い」とコメントを残したことが今年あった。
  • 最も星を集めていたコメンテーターが、私のコメントにブックマークする形で(メタブ)「お前も印象論」「因縁つけるならお前こそ黙ってろボケ」とコメントを書かれた。
  • 「お互い『自分はこう思う』だけ勝手に書けばいい、ネットで議論などできない」という方針なので、特にそのメタブへの直接的なリアクションは取らなかった。(もともと私はその人だけに書いたつもりもなかった。)
  • 言う側にいる間は好き勝手に攻撃し、言われる側に回ると自己を必死で(攻撃的に)守るのは、言論公表者としてあまりに精神が惰弱だと思った。
  • 一方でそうして恨みを買って刺殺されるといった事件が起きたことも思い出し、また今年逆恨みで突然町中で顔に硫酸をかけられる事件も思い出し、そのメタブを見た時はものすごく怖かった。書いた当人は単に感情のはけ口として反射的に書いただけのことで、気にも留めていないかもしれないが、書かれた方は相当の恐怖だった。

 

  • それからTwitterで、私の自殺した母と私の内面の構造を論考(?)した文章をDMで送りつけられた、ということも今年あった。
  • わざわざそのために新規アカウントを取ったようで、動機がよく分からなかった。
  • 論は単純化した稚拙なもので、「結論ありきで事実を捨象すれば成立する」ストーリーでしかない、と感じた。
  • 「ネットで議論はできない」「自分はこう思う、があれば全体に向かって書けばいい」の基本方針なので、特に反駁はせず「一理あるのかもしれませんが、DMや匿名ダイアリーなどで書いた方がいいのではないでしょうか。」とだけ返信した。その後どこかに書かれたのかは分からない。
  • あまりに怖いこと、気色悪いことが続くようなら、身の安全に勝るものもないし、「お裾分け価値」への信仰も捨て時なのかもしれないと少し思った。「割りに合わない」地点はとっくに過ぎているのかもしれない。

 

  • 内容的に個人的な体験ではない話を書く場合でも、自分自身の感情・動機・体験も併せて書こうと今年後半くらいから思うようになった。本来そうした記録が重要かと思って。
  • 今年後半から箇条書きスタイルになった。新型コロナワクチンの時系列まとめを書いた際に、内容が多く列挙した方が分かりやすいと思って始めたが、その方が早く書けて良いと感じたのでしばらく続けている。
  • 仕事でメールを書く際は10年以上、冒頭結論、内容は見出し+箇条書き+インデント、というスタイルだった。それと同じ。
  • 「早く書ける」のは文章間の連絡に気を払い過ぎずに済む、余計な修飾を省きやすい、論理関係の把握や整理がし易い、などの理由による。
  • 書いておきたいと思うことは多く、メモも残しているが、実際に書こうとすると分量が増大して時間がかかってしまう。その時間と手間を少しでも減らしたい。
  • 内容に応じてスタイルは変えればいいことなので、特に箇条書きに固執はしていない。

 


 既に言及したものも含め(読書感想文を除いた)今年のブログ記事一覧↓


[01.07] 新型コロナ 法律の枠組み - やしお
[02.20] 小野マトペ氏の逮捕・裁判のこと - やしお
[02.25] 経験は「実体験の量」というより「考えた時間」 - やしお
[03.01] 「ドン」がネットワークのくびれで機能する - やしお
[03.20] 入院の費用・持ち物・過ごし方のメモ - やしお
[03.25] 台湾をうらやむことの無神経さ - やしお
[05.09] 本気でハマっていた何かを、「やめてない」という気持ちでやめていく - やしお
[06.01] 被害者意識を掻きむしる気持ちよさと陰謀論 - やしお
[07.01] おかしな意思決定を許す余裕 - やしお
[07.04] 一瞬、擬似的な先輩になる体験 - やしお
[07.17] クリエイターが才能で免罪されるおかしさ - やしお
[07.26] 楽しくて自発的な管理社会 - やしお
[08.13] 「オリンピックを楽しんだ奴が金を払え」へという個人間対立の深まり - やしお
[08.24] 新型コロナワクチン時系列 - やしお
[09.21] 国政選挙で勝つということ - やしお
[10.05] たった211ヶ月でTOEICスコア500アップ - やしお
[11.04] 高卒新人に資産運用を説明する - やしお
[12.21] リスクの洗い出しと判断のコツ - やしお