やしお

ふつうの会社員の日記です。

魚住昭『渡辺恒雄 メディアと権力』

https://bookmeter.com/reviews/82196352

自分で作ったわけじゃない大きな組織(読売新聞社)を後から入って完全にハッキングする具体的な事例・経緯だった。「記者のあるべき姿」「報道機関の意義」といった大きな視点での本来の目的をばっさり切り捨てる、普通は嫌悪感でできないそれを徹底的にやるところに成立するので、当然組織は腐っていく。学生時代はむしろヒューマニズムに傾斜していて、挫折して「理想を実現するには力がいる」と権力奪取を正当化していつのまにか手段が目的にすり変わっていく。組織がそうした人物のハックにさらされると防ぐのがすごく難しいんだなと思う。

渡邉恒雄 メディアと権力 (講談社文庫)

渡邉恒雄 メディアと権力 (講談社文庫)