やしお

ふつうの会社員の日記です。

西尾克洋『スポーツとしての相撲論』

https://bookmeter.com/reviews/102522994
実態を知るほど、大相撲のレギュレーションやプロ団体としての日本相撲協会は、純粋に競技として見るとあまりに不合理・不適格だと感じる。多数の競技者が病気(糖尿病・痛風)と怪我に苦しみ、引退後のキャリアパスも不明確で、プロ志望者が減るのも当然だろう。しかし相撲はその不合理さ・特殊性(部屋制度や神事としての側面など)が存在意義や魅力を支えている面もあり、著者も書名・前書きで「スポーツとしての」と断りながら、プロ競技としての合理化を進めるべしと言わない割り切れなさを抱えていて、ある意味で誠実な書き手だと思った。


 とはいえ、個人的にはせめて(階級別にはできないのなら)BMI値の制限くらいは加えた方が良いのでは、とも思っている。
 自分が大相撲を割と熱心に見ていたのが08年くらいまでなので、もう現役力士はほぼ入れ替わっている。その世代交代した力士たちを紹介してくれて面白かった。