やしお

ふつうの会社員の日記です。

藤井聡『超入門MMT』

https://bookmeter.com/reviews/112037502
MMT(現代貨幣理論)がどういう理論なのか肝心の説明がされない。様々な主張が「MMTによると」と説明されるが、マネタリーベース拡大は貨幣数量説・リフレ派の、財政拡大は財政原則(量出制入)の旧来の主張の域を出ない。財政均衡を無視できるとするMMTは、従来理論とどの仮定に差異があるのかや、理論の限界点を示さず不誠実だ。「俺の考える最強の政策パッケージ」を披歴する本でしかない(そうであれば理解できる主張は多々ある)。さすがに大元のMMTが理論の態を為していないとは考え難いので、選んだ本が間違っていたのだと思う。