やしお

ふつうの会社員の日記です。

髙野てるみ『職業としてのシネマ』

https://bookmeter.com/reviews/113340821
映画の配給プロデューサーは、少し刑事弁護人に似ていると思った。作品が自分の好みかは無関係に、職業人として宣伝しなければならない。著者は、新聞記者としてスタートし、雑誌・広告のエディター・ライターとなり、企画会社を立ち上げ、その後フランス映画の配給会社を立ち上げる、という珍しいキャリアを経ている。多数の人気女性誌に顔が利き、配給と不可分な宣伝に強い点で声がかかったという。知名度の低い非ハリウッド作品をどのように「特別な体験」に仕立ててユーザーにリーチさせ、ミニシアターと共存するか、というマーケティングの話。


 本書は配給という仕事そのものについてではなく、著者の思い出を綴ったものだった。著者が編者として参加している「映画プロデューサーになる!」という本の方が配給そのものについて語られているらしいので、そちらを追加で買った。
 かなり冗長・散漫で未整理な文章で、余計な前置きを削って淡々と書いてくれれば、という気持ちにはなる。