やしお

ふつうの会社員の日記です。

鳥集徹『医学部』

https://bookmeter.com/reviews/115028764
職業訓練校に国の成績トップの学生が集中する」状況が異常と改めて言われると、めちゃくちゃいびつだなとは思った。医師に高い能力が必要なのは間違いなくても、研究者でも高級官僚でもなく「医者(臨床医)を育てる機関」が偏差値トップになって、「偏差値が高いから」という理由で目指されるのは偏っている。医局講座制の仕組みを知りたいと思って本書を読んだけど、やはり仕組みやルールには消費期限がある。本書は不合理の指摘だけでなく、課題解決にどんな努力を医学界が払ってきたかも解説して、若い人へのメッセージもあり意外と熱い内容。


 「医局講座制が何なのか知りたかった」というのは、『脳外科医 竹田くん』(兵庫県赤穂市民病院の医療事故・その周辺人物や環境を題材にした漫画)を見ていた際に、「医局に所属していれば、ヤバい医師を封印しておくこともできたが」といった話を(漫画の中ではなく別の人のコメントで)見かけて、医局って何だろと思ったのだった。