やしお

ふつうの会社員の日記です。

藤本和子『塩を食う女たち』

https://bookmeter.com/reviews/96197247
70年代のアメリカ南部に渡った著者が、40人以上の黒人女性へインタビューした内容をまとめた本。奴隷制の持つ人種的・階級的な矛盾を、「家族制」で擬似的に正当化したという指摘がある。奴隷所有者は、奴隷を「自分の子供のようなもの」と見なして「父親として心配している」というコーティングを施すことで、支配と服従を内面的に解決する。またコミュニティとして子供を共同で育てるあり方も描かれている。血縁の家族が容易に引き裂かれ得る状況をサバイブするために生み出されていて、他者をブラザー/シスターと呼ぶ習慣もそこに由来する。