やしお

ふつうの会社員の日記です。

冲方丁『光圀伝(上)』

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不可解/不愉快で驚異的な人物が現れる→その人物の内面に触れて共感する→自分に欠けていた能力を自覚してその人から能力を得てレベルアップ、というパターンをひたすら繰り返すビルドゥングスロマンで、その構造自体の単調さをオーバーライトするためにはどれほどその内在的ロジックや能力を具体的に描けるのかが問題になるから、光國伝ではそこに注力されることになる。度胸、武芸、文芸を説得的に描いていく。結局ラストまでその構造を繰り返し続けるのか、あるいはズラしたり廃棄されることになるのかという一点だけを気にして下巻に進みます。

光圀伝 (上) (角川文庫)

光圀伝 (上) (角川文庫)